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薬剤

エゼチミブ Ezetimibe

脂質代謝異常に対する薬剤はここ最近種類が増えてきており、日に日にややこしさが増しています。今回はエゼチミブ(Ezetimibe)に関して勉強したことをまとめます。 作用機序:エゼチミブはNiemann–Pick C1–like 1 (NPC1L1)を標的として、腸管からのコレステロール吸収を阻害する作用機序を持ちます。 一般名:エゼチミブ 商品名:ゼチーア® 製剤:10mg   *スタチンとの合剤 […]

心房細動の抗凝固療法

心房細動の合併症として全身への塞栓症(特に脳塞栓症)が問題となります。心房細動での抗凝固療法に関してここでまとめます。 心房細動による塞栓症のリスク評価 代表的なリスク評価がCHADS2 scoreとCHA2DS2-VASc scoreです(下図)。点数が高ければ高いほど塞栓症リスクが上昇します。注意としてはこれはあくまで非弁膜症性心房細動の場合の話です。人工弁患者さんや僧房弁狭窄症患者さんではこ […]

脳梗塞とDAPT(dual antiplatelet therapy)

Summary and Recommendations DAPTを使うべき状況は以下①軽症非心原性脳梗塞(NIHSS<5点) or 高リスクTIA(ABCD2 ≧4点)②発症~72時間③抗血小板薬の選択:アスピリン+クロピドグレル④併用期間:21日間 ■クロピドグレル初回投与はloading(臨床試験では全てloadingあり、300mg or 600mg *日本では300mg/日)・これは […]

PPI プロトンポンプ阻害薬

1:作用機序 PPIは胃の壁細胞H+/K+-ATPase(プロトンポンプ)を阻害することで胃酸分泌を抑える働きをします。ヒスタミン受容体拮抗薬は酸産生への機序のうち1経路しかブロックしないですが、PPIは最終的なプロトンポンプを阻害するためより強力な酸抑制作用を持ちます。 PPIは通常胃酸で活性化され、効果発現に数日時間かかります。この効果発現に時間がかかる点がヒスタミン受容体拮抗薬と比較しての欠 […]

SU剤 スルホニル尿素薬

■作用機序 膵臓β細胞のKATPチャネルに作用し、Kの細胞外への流出を阻害することで、細胞膜が脱分極し、電位依存性カルシウムチャネルが開口しCaイオンが細胞内に流入することでインスリンを分泌する薬剤です。 ■特徴 ・大血管合併症予防効果あり・体重増加、低血糖リスク大・二次無効がある SU薬は経口血糖降下薬として古くからある薬で大血管合併症予防効果が証明されていますが、何しろ体重増加と低血糖リスクが […]

α-GI α-グルコシダーゼ阻害薬

■作用機序 2糖類をグルコースへ分解するαグルコシダーゼを阻害することで、血糖値の上昇を緩やかにする作用を持つ薬剤です。 ■特徴 ・大血管合併症予防効果なし・体重増加リスクなし・低血糖リスク低い・1日3回の内服かつ食前のためコンプライアンスは悪くなりやすい・副作用は多い(消化管症状) 大血管合併症予防効果は示されておらず、第1選択薬にはならない薬です(しつこいですが第1選択はメトホルミン)。体重増 […]

DPP4阻害薬

■作用機序 インクレチンの分解酵素である、DPP4を阻害することで、インクレチン受容体への作用を増強し、膵臓β細胞からのインスリン分泌を促進する機序です。インクレチンは腸管に食事がくると消化管から分泌されることから、血糖値依存的にインスリン分泌を促進するため、低血糖リスクが低く、また食後高血糖に効果があります。 ■特徴 ・第1選択薬にはならない(必ずメトホルミンが第1選択)・大血管合併症予防効果が […]

糖尿病治療薬 まとめ

1:糖尿病薬の作用機序 代表的な糖尿病治療薬の作用機序を下記にまとめました。以下でそれぞれの薬の作用機序を解説します。 ビグアナイド系:肝臓での糖新生を抑制することで、血糖値を下げる働きをします。 SU剤・グリニド薬:いずれも膵臓β細胞のKATPというイオンチャネルを阻害することで、細胞膜を脱分極させ、VGCC(電位依存性カルシウムチャネル)を開口することで、Caが流入しインスリンを放出する機序を […]

メトロニダゾール脳症 MIE: metronidazole induced encephalopathy

1:病態 メトロニダゾールは抗菌薬関連脳症(AAE: antibiotic-associated encephalopathy)の代表的な原因薬剤です。AAEに関してはセフェピム脳症のチャプターでまとめましたのでこちらをご参照ください。 機序としてはビタミンB1の代謝障害、GABA受容体が関係している可能性が指摘されていますが正確な機序は分かっていません。 メトロニダゾールの総治療期間は中央値35 […]

メトロニダゾール metronidazole

嫌気性菌・原虫に効果がありますが、通常のグラム陽性菌やグラム陰性菌には効果がないという特徴的な抗菌薬です。肝代謝、内服もbioavailabilityがほぼ100%と優れており、ほぼ全ての臓器の移行性が良好(髄液移行性を含めて)で優秀な抗菌薬です。 投与量は腎機能に関係なく下記の通りです。 ・静注の場合(商品名:アネメトロ®):500mg q8hr *アネメトロ®は点滴バッグ(500mg/1バッグ […]