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HIT: heparin-induced thrombocytopenia

病態 HIT(heparin-induced thrombocytopenia)はPF-4(platelet factor:血小板放出)とヘパリンの複合体に対する抗体形成により血小板が減少しますが、出血合併症が起こるのではなく逆説的に血栓症を合併する病態です。未分画ヘパリンを7-10日間投与されている状態がリスクが高く、心臓手術後は約1-3%に認めるとされています。HITと確定した患者の約50%に […]

抗精神病薬 まとめ

1:作用機序 抗精神病薬は(向精神薬との違いに注意)、脳内のドーパミン受容体阻害をすることが作用機序です。しかし、脳内のドーパミン経路は中脳辺縁系、黒質線条体系、下垂体漏斗系と複数の経路があり、これらも阻害してしまうことによりさまざまな副作用が生じてしまいます。 脳内のドーパミン経路■中脳辺縁系・中脳皮質系→認知機能低下、抑うつ■黒質線条体系→錐体外路(パーキンソン症候群)■下垂体漏斗系→高プロラ […]

薬剤性歯肉増殖 Drug-induced gingival overgrowth

歯肉増殖をきたす内科疾患として最も重要なものは急性骨髄性白血病(特にM5)が有名ですが、薬剤性も原因として多いです。 歯肉増殖が副作用としてある薬剤は・カルシウム受容体拮抗薬・免疫抑制剤(シクロスポリン)・抗てんかん薬(フェニトイン)の3つが代表的です。歯科関連の合併症ではありますが、内科医として知っておきたい副作用です。治療は基本的に原因薬剤の中止と歯の衛生状態の改善です。歯科の先生との連携も大 […]

レベチラセタム LEV: levetiracetam

レベチラセタムは近年最も処方されるようになった抗てんかん薬でてんかん診療に慣れていない医師にとっても相互作用や副作用が少ない点から非常に処方しやすい薬剤です。その特徴に関してまとめます。 薬剤の特徴 一般名:レベチラセタム、商品名:イーケプラ® ■作用機序(下図参照)1:N型Ca受容体抑制、細胞内Ca遊離抑制2:シナプス小胞体放出抑制 代謝:腎臓(2/3)、肝臓(1/3)(CYPを介さない) 半減 […]

メトトレキサート MTX: methotrexate

作用機序 メトトレキサート(MTX: methotrexate)は葉酸代謝拮抗薬で核酸合成阻害をすることで、免疫細胞を抑制する作用を持ちます。細胞障害薬で細胞選択性はないですが、抗炎症作用(マクロファージからのサイトカイン産生抑制)も呈す点が特徴的です。後者のためマクロファージや好中球が関与する病態(関節リウマチ、AOSD、高安動脈炎、乾癬性関節炎、サルコイドーシスなど)にも効果があります。細胞内 […]

カルシニューリン阻害薬 シクロスポリン・タクロリムス

作用機序 カルシニューリン阻害薬はシクロスポリン(Cyclosporine A: CyA)とタクロリムス(Tacrolimus: Tac, FK506)が挙げられます。後者は筑波で発見されたマクロライド系の免疫抑制剤ということで、Tsukuba macrolide immunosuppressantから”Tacrolimus”という名称が付いています。 作用機序は […]

アザチオプリン Azathioprine

一般名:アザチオプリン商品名:アザニン®・イムラン® 製剤:50mg/1錠 ■作用機序 アザチオプリンはプロドラッグで体内で6-MPに代謝され薬効を発揮します。プリンと名前が付いている通りプリン体代謝(DNA合成)を阻害することで、免疫抑制・細胞増殖を抑制する効果を持ちます(下図参照)。細胞選択性はありません。 ■使用方法 開始量:25mg 1T1x(慎重) or 50mg 1T1x(普通) or […]

チオペンタール thiopental

神経集中治療でときおり使用することがあるのが最後の手段チオペンタールです。普段あまり使い慣れないところもあるためまとめます。 薬剤の特徴 作用機序:バルビツール酸・GABA受容体に作用商品名:ラボナール®作用発現時間:10~30秒 最大効果時間:~30秒 作用持続時間:20分 製剤1:0.3g/1A(粉製剤 薄黄色) +溶解液12ml付組成:ラボナール0.3g +溶解液 12ml →300mg/1 […]

ステロイド外用薬

分類 毛穴が多く、皮膚が降水部位は外用薬の吸収が良いことが知られています。このため、顔面、腋窩など外用薬の吸収が高い部位は”Very Strong”以上のステロイド外用薬は使用しません。逆に手掌、足底は吸収が低いため、”Strong”以上を使用するようにします。 以下部位とステロイド外用薬強度のおおまか対応関係を載せます。 ・顔面:”Me […]

高尿酸血症 hyperuricemia

1:尿酸の生理学 ヌクレオチドの産生経路は新規に作る経路(de novo経路)とプリン体を再利用する経路(サルベージ経路)の2種類があります。これらが代謝されると、キサンチンがキサンチンオキシダーゼにより最終的に尿酸となります。尿酸の産生は肝臓で行われており、1日約700mg/日産生されています。 このうち2/3は腎臓から排泄され、1/3は腸管で腸内細菌による分解されることで排泄されます(下図Ad […]