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薬剤

ビグアナイド系 メトホルミン Metformin

■作用機序 肝臓での糖新生抑制→空腹時血糖の改善、インスリン抵抗性改善の作用機序をもちます。このほかにも脂質代謝異常などへ間接的に影響があるようです。 代謝:腎臓(半減期4時間、24時間後に90%排泄) ■特徴 ・経口血糖降下薬の第1選択(禁忌に該当しない限りメトホルミンを使用する)・心血管合併症を抑制するエビデンスが十分にある・低血糖のリスクが少ない・体重増加がないため、肥満患者にも使用すること […]

テトラサイクリン系抗菌薬

1:分類 細菌のリボソームでの蛋白合成を阻害することで静菌的に作用します。特殊な菌や細胞内寄生菌への感受性を持つ抗菌薬で、具体的にはリケッチア感染症、ブルセラ症、ライム病、マイコプラズマ、クラミジア、クラミドフィラといった感染症において有用です。抗菌薬のスペクトラムというよりも、どの疾患で使用するか1対1対応で把握してした方が使いやすいです。 GPCでは耐性化が進んでおり、緑膿菌カバーと嫌気性菌カ […]

バンコマイシン

1:分類 グリコペプチド系抗菌薬で細胞壁合成阻害の機序で作用します。耐性菌を含めたGPCを幅広くカバーする抗菌薬として重要な位置を占めています。 バンコマイシンがtargetとする菌は3つあり1:MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌), CNS(コアグラーゼ陰性ブドウ球菌)・GPC cluster菌血症の初期治療・S.aureus菌血症の感受性同定前 (MSSA or MRSAかわからない初期) […]

クリンダマイシン Clindamycin

リンコマイシン系抗菌薬で静菌的に作用し、肝代謝(腎機能による投与量の調整が必要なし)の薬剤です。GPC全般と嫌気性菌(横隔膜よりも上)をカバーする特徴があります。この抗菌薬も基本的に第1選択で使用することはありませんが、ペニシリンアレルギーの患者でのGPCカバー、横隔膜より上の嫌気性菌カバー、Clostridiumによるガス壊疽、壊死性筋膜炎などでの毒素産生を抑える機序、上記2つの場合で使用する場 […]

モノバクタム系抗菌薬 アズトレオナム

モノバクタム系抗菌薬は細胞壁の生合成阻害により、殺菌性、時間依存性に作用します。一般名:アズトレオナム、略称:AZT、商品名:アザクタム®です。なかなかminorな抗菌薬で今まで一度も使用したことがない方も多いかもしれませんが、スーパーサブ的なポジションで非常に有能な抗菌薬です。 緑膿菌を含むGNR全般に効果があります。GPC、嫌気性菌は全くカバーしないことからMr. GNRともいえる抗菌薬です。 […]

マクロライド系抗菌薬

1:分類 マクロライド系抗菌薬は静菌的に作用し 細胞内寄生菌(マイコプラズマ、クラミドフィラなど)に効果がある特徴があります。世代がエリスロマイシン(EM)→クラリスロマイシン(CAM)→アジスロマイシン(AZM)と進むにつれて血中半減期が長くなる特徴があります(AZMは1日1回投与が可能)。 エリスロマイシンは下記の下痢の副作用が強く積極的に使用する場面はほとんどありません。(副作用を逆手にとっ […]

利尿薬 diuretics

1:Na排泄と作用部位 利尿薬は尿細管でのNa再吸収を阻害することで、尿中Na排泄量を増加させ、体液量(正確には細胞外液量)を減少させる働きがあります。なぜNa量を調節するのかというと、Na量は細胞外液量と対応しているからです。これは水代謝のところでも話ましたが、再度体裁します(詳細はこちらをご参照ください)。 Naは血管壁を挟んで血管内と間質を自由に行き来することが出来ますが、細胞膜を挟んで細胞 […]

抗血小板薬 antiplatelet drugs

1:血小板の生理 普段私たちの血管内皮細胞はNO(一酸化窒素)やPGI2(プロスタグランジンI2)などの働きによって、血栓が出来ないようにしています。しかし、血管壁が破綻して出血をすると血小板が止血において重要な役割を担います。 血管内皮細胞が障害されると、vWF(von Willebrand因子)を介在して、血小板がくっつきます。血小板はここで、ADP(アデノシン二リン酸)やTXA2(トロンボキ […]

抗凝固薬 まとめ

0:凝固カスケードと作用機序 凝固カスケードと抗凝固薬との対応関係をまとめると上図の様になります。以下でそれぞれの薬に関してまとめます。 1:ヘパリン類 ■作用機序と分類 ヘパリン類はそれ単独では抗凝固作用を示さず、AT(antithrombin:アンチトロンビン)依存性に抗凝固作用を発揮します。このため、背景にAT欠損や活性低下があると十分な薨御作用を発揮できません。未分画ヘパリン(UFH: u […]

NSAIDs: non-steroidal anti-inflammatory drugs

1:作用機序 NSAIDsはCOX(cycloxygenase:シクロオキシゲナーゼ)阻害しアラキドン酸カスケードを止める薬理作用を持ちます。ここでアラキドン酸カスケードとCOX、その代謝物の生理学についてまとめます。 アラキドン酸はCOX (cycloxygenase:シクロオキシゲナーゼ)によりプロスタグランジンに代謝されます。COXには2種類あり・COX1:正常組織で恒常的に発現(̶ […]