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モノバクタム系抗菌薬 アズトレオナム

モノバクタム系抗菌薬は細胞壁の生合成阻害により、殺菌性、時間依存性に作用します。一般名:アズトレオナム、略称:AZT、商品名:アザクタム®です。なかなかminorな抗菌薬で今まで一度も使用したことがない方も多いかもしれませんが、スーパーサブ的なポジションで非常に有能な抗菌薬です。

緑膿菌を含むGNR全般に効果があります。GPC、嫌気性菌は全くカバーしないことからMr. GNRともいえる抗菌薬です。

基本的に第1選択として使う状況はないのですが、ペニシリン、セフェムアレルギーの患者でGNRカバーをする際に活躍する抗菌薬です(セフタジジムのみ交叉反応がありうるため注意が必要)。薬剤添付文書ではペニシリンアレルギーに慎重投与となっていますが、基本的にはセフタジジムのみ交叉反応があります。

投与量は腎機能問題なければ 1-2g q8hr が標準投与量です。

使用するべき状況は、
ペニシリンアレルギーのある患者でのGNR全般のカバー
(ちなみにペニシリンアレルギーある患者でのGPCカバーではクリンダマイシン:CLDMを使用することが多いです。ペニシリンアレルギーのGPC:クリンダマイシン、GNR:アズトレオナムと覚えて良いかと思います。)
が挙げられます。

以下にアズトレオナムと、併用することもあるクリンダマイシンを載せます。

知っていると第二選択としての抗菌薬選択の幅が広がるので、知っておくと良いと思います。