脳血管障害性パーキンソニズム Vascular parkinsonism
最近高齢者の歩行障害でよく悩むのが「脳血管障害性パーキンソニズムとこの症例は断定してよいのか?」というケースです。臨床的には疑いますが、やはり現時点で明確なbiomarkerはないですし、虚血病変自体は無症候性にある場合もあるため臨床像の合致と他疾患の除外が重要でまだまだclinicalな判断にゆだねられているところが大きいと思います。 臨床像 元々は1929年にCritchleyが” […]
最近高齢者の歩行障害でよく悩むのが「脳血管障害性パーキンソニズムとこの症例は断定してよいのか?」というケースです。臨床的には疑いますが、やはり現時点で明確なbiomarkerはないですし、虚血病変自体は無症候性にある場合もあるため臨床像の合致と他疾患の除外が重要でまだまだclinicalな判断にゆだねられているところが大きいと思います。 臨床像 元々は1929年にCritchleyが” […]
自己免疫機序(非感染性)の脱髄を中枢神経に多巣性に呈する病態です。小児に多く、単相性の経過をたどる疾患として認識されていました。ただ特異的バイオマーカーはなく現状は除外診断が主体です。問題点は小児例が多いためそこでの議論をそのまま成人に適応できるかという点があります。 疫学 ・発症年齢:5-8歳が多い 男性>女性(MSは女性に多いが) ・0.3-0.6/10万人年・誘因:感染症 75%>>ワクチン […]
ADEMの最重症型の亜型としてAHLEは報告されており(ADEM全体の約2%を占める Neurology. 2002;59(8):1224-1231.), 1941年にHurstが報告したことに端を発します。感染症やワクチン接種後数日から週単位後に発症することから自己免疫機序が想定されています。急性進行性の白質脳症に出血を伴い, 病理学的には血管周囲の炎症細胞浸潤と小血管壊死, 脱髄が特徴とされて […]
・ANCA関連疾患のなかで中枢神経病変を呈する頻度はGPA>MPA>>EGPAとされています。・GPA(granulomatosis with polyangiitis)の中枢神経障害は報告によりかなり幅がありますが7~11%と報告されており、肥厚性硬膜炎・下垂体病変・中枢神経血管炎が3大原因です。特にGPAに随伴する肥厚性硬膜炎を中心に文献をまとめます。肥厚性硬膜炎全般に関してはこちらをご参照く […]
“Eating epilepsy”は反射てんかん(reflex epilepsy)の1つで、食べることによって誘発されるてんかんです。極めて特徴的な病歴で先日初めて診療しましたが、勉強した内容を少しずつまとめます。なぜかスリランカからの報告がとても多いのですが、これは食文化などと関係があるのでしょうか?? ■Systematic review Seizure: Europe […]
MOG抗体関連疾患での皮質性脳炎(Cerebral cortical encephalitis)は2017年に初めて報告され(Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm. 2017 Mar;4(2):e322.)確立した疾患概念です. 片側性皮質脳炎の代表的な鑑別疾患として重要です. 若年発症で髄膜炎のような頭痛が目立ち, てんかん発作を随伴し, ステロイド治療反応性が良好で […]
先日起床後に安静時めまい+左難聴・耳鳴りを呈した症例があり、診察するとsupine head-roll testで左頭位変換で回旋性眼振が出現する症例を経験しました。当初は三半規管の問題であったとしたらBPPVで蝸牛症状は伴わないはずだし、でも前庭神経の問題なら普通は頭位変換と関係ないからなーと病巣が良く分からずでしたが、結局突発性難聴の診断に至りました。なぜこうなったのか疑問に思い改めて調べます […]
非弁膜症性心房細動患者さんの抗凝固療法導入時期は出血性梗塞合併リスクがあり判断に悩む領域です。 今までの変遷 ・前向き研究不在の中で今までさまざまなrecommendationが提唱されてきました。その変遷をまずまとめていきます。 基礎知識 ・心原性塞栓症の再発リスクは初期14日以内で0.5-1.3%/日(Stroke 1983; 14: 688–93.)・脳梗塞直後が再発リスクも, 出血性梗塞に […]
抗LGI1(leucine-rich, glioma-inactivated 1)抗体関連脳炎は自己免疫性脳炎の中で抗NMDAR脳炎に次いで多い原因として指摘されており認知が広まってきています. 自己免疫性脳炎の総論に関してはこちらを参照ください。抗VGKC関連抗体としてLGI1とCaspr2への抗体が代表的で前者が辺縁系脳炎(中枢神経)を主体に, 後者が末梢神経を主体な臨床像を呈します. FBD […]
脳底動脈閉塞は脳梗塞の中でも極めて神経学的予後が不良なものです. 脳底動脈閉塞に対する血管内治療は元々「救命目的に行うかどうか?」という立ち位置にありましたが, 2022年にNEJMで2つのRCTが発表され, 機能予後改善の意味でも流れが大きく変っています. ここではこの2つのRCTに関して取り上げます. “ATTENTION” N Engl J Med 2022;387:1361-72. まとめ […]