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2019年6月

入院患者の発熱 fever workup

1:原因 入院患者の発熱への対応は病棟医の基本中の基本ですが、奥が深く簡単ではないことが多いです。治療可能な病態へ早く介入できるかどうかの病棟医の力量が問われていると日々痛感しております。 原因は「感染症」と「非感染症」いずれもあります。感染症としては、救急外来と異なり特に医療関連感染症が多い特徴があり、これら代表的な5大医療関連感染症が挙げられます。 ・CAUTI: catheter assoc […]

カルシウム受容体拮抗薬 CCB: calcium channel blocker

1:カルシウム受容体の分類 カルシウム受容体は数多くあるが、大きく「ジヒドロピリジン系」と「非ジヒドロピリジン系」の2つに分類すると理解がしやすくなります。 「ジヒドロピリジン系」の薬剤は主に血管平滑筋に作用し、降圧薬として使用します(薬剤名に「○○ジピン」が付きます)。一方で「非ジヒドロピリジン系」の薬剤は心筋・刺激伝導系(房室結節)に作用し、“rate controllerR […]

呼吸生理 治療との対応関係

ここでは我々が呼吸不全に対して行っている治療が呼吸生理のどの要素へ介入しているのかをまとめる。 1:酸素療法 酸素療法は純粋にFIO2を上昇させることで、PAO2を上昇させ、PaO2を上昇させることで酸素化を改善している(下図の赤字部分で表現)。呼吸筋、呼吸仕事、肺の状態を直接改善している訳ではないことを確認したい。 2:人工呼吸器 人工呼吸器での設定項目は多岐にわたるが、それぞれがどこと対応して […]

酸素を届ける:SaO2とPaO2の違い

血液ガスをとると必ず、SaO2とPaO2どちらの項目も表示されています。目的、状況に応じてPaO2に着目するべきなのか、SaO2に着目するべきなのかを判断できるようになるため、ここではSaO2とPaO2の違いに関して解説します。 1:酸素供給とは? 組織への酸素供給(DO2: delivery O2)は 、「心拍出量」、「ヘモグロビン濃度」、「酸素飽和度」の3つの要素で規定されます(具体的な式は下 […]