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内分泌

糖尿病治療薬 まとめ

1:糖尿病薬の作用機序 代表的な糖尿病治療薬の作用機序を下記にまとめました。以下でそれぞれの薬の作用機序を解説します。 ビグアナイド系:肝臓での糖新生を抑制することで、血糖値を下げる働きをします。 SU剤・グリニド薬:いずれも膵臓β細胞のKATPというイオンチャネルを阻害することで、細胞膜を脱分極させ、VGCC(電位依存性カルシウムチャネル)を開口することで、Caが流入しインスリンを放出する機序を […]

ビグアナイド系 メトホルミン Metformin

■作用機序 肝臓での糖新生抑制→空腹時血糖の改善、インスリン抵抗性改善の作用機序をもちます。このほかにも脂質代謝異常などへ間接的に影響があるようです。 代謝:腎臓(半減期4時間、24時間後に90%排泄) ■特徴 ・経口血糖降下薬の第1選択(禁忌に該当しない限りメトホルミンを使用する)・心血管合併症を抑制するエビデンスが十分にある・低血糖のリスクが少ない・体重増加がないため、肥満患者にも使用すること […]

DKA :diabetic ketoacidosis

1:DKAに関して ■高血糖緊急症 高血糖緊急症はDKA(diabetic ketoacidosis:糖尿病性ケトアシドーシス)とHHS(hyperosmolar hyperglycemic syndrome: 高血糖高浸透圧症候群)が挙げられます(下図にそれぞれの特徴を簡単に記載しました)。総合内科をやっていると、よく「血糖値が700mg/dLで高血糖緊急症です」とコンサルトがきますが、これは間 […]

ステロイド骨粗鬆症 Glucocorticoid-induced osteoporosis

ここではステロイド骨粗鬆症に関してテーマを絞って解説します。骨粗鬆症一般に関してはこちらにまとめましたのでご参照ください。 1:機序 ステロイド骨粗鬆症は続発性骨粗鬆症の原因として最も重要です。機序としてはステロイドによるRNAKL発現亢進・OPG発現減少による破骨細胞の成熟促進と、骨芽細胞・骨細胞のアポトーシス誘導により骨密度が低下します。 ステロイド骨粗鬆症ではまず海綿骨の骨密度が早期に低下し […]

骨粗鬆症 osteoporosis

1:骨代謝の生理 骨代謝は骨芽細胞(osteoblast)による骨形成と、破骨細胞(osteoclast)による骨吸収による平衡関係で成立しています。この関係を調節するホルモンはPTH(parathyroid hormone)です。PTHは破骨細胞に直接作用するのではなく、その手前の段階に作用します。 PTHにより骨芽細胞はRANKL(receptor activator for nuclear […]

高プロラクチン血症 Hyperprolactinemia

1:プロラクチンの生理 プロラクチン(PRL: prolactin)は下垂体前葉ホルモンの1つであり、成長ホルモン(GH: growth hormone)と同様に前駆体細胞から発生します。 プロラクチンの特徴は(他の下垂ホルモンと違う点)・ 下垂体ホルモンの中で唯一視床下部から抑制的に制御される ・血中プロラクチン濃度によるfeedbackを受けない・ 独立した標的内分泌器官が存在しないといった点 […]

Vitamin B12欠乏

0:代謝・生理 VitaminB12(別名 cobalamin:コバラミン)は微生物が産生し、私たち人間は動物性食品から摂取しています。肝臓、青魚(サンマ)、貝類(アサリ)、卵、乳製品などに多く含まれ、植物性食品(海苔を除く)にはほとんど含まれていません(このためvegetarian, veganの方々でも欠乏が問題となります)。 体内のVitaminB12は2~5mg程度貯蔵されており、その半分 […]

低血糖 hypoglycemia

1:病態・症状 低血糖での症状は大きく以下の二つに分類されます。 1:automonic:交感神経症状と副交感神経症状2:neuroglycopenia:中枢神経症状(痙攣、意識障害、神経巣症状) 通常症状は先に自律神経症状、次に中枢神経症状の順番で症状が出現しますが、長期糖尿病患者ではhypoglycemia unawareness(自律神経障害で自律神経障害に対して無自覚)のため、いきなり中枢 […]