■作用機序
インクレチンの分解酵素である、DPP4を阻害することで、インクレチン受容体への作用を増強し、膵臓β細胞からのインスリン分泌を促進する機序です。インクレチンは腸管に食事がくると消化管から分泌されることから、血糖値依存的にインスリン分泌を促進するため、低血糖リスクが低く、また食後高血糖に効果があります。
医学を一緒に学ぶ人のために
高血糖緊急症はDKA(diabetic ketoacidosis:糖尿病性ケトアシドーシス)とHHS(hyperosmolar hyperglycemic syndrome: 高血糖高浸透圧症候群)が挙げられます(下図にそれぞれの特徴を簡単に記載しました)。総合内科をやっていると、よく「血糖値が700mg/dLで高血糖緊急症です」とコンサルトがきますが、これは間違いです。DKAであればインスリン枯渇による細胞内飢餓を反映したケトアシドーシスが病態ですし、HHSは血漿浸透圧が高浸透圧でそれによる神経症状がおこることが病態です。ただ高血糖なだけでケトアシドーシスも高浸透圧もない場合は緊急での介入は必要ありません。結構間違えている場合が多いため注意です。
ここではステロイド骨粗鬆症に関してテーマを絞って解説します。骨粗鬆症一般に関してはこちらにまとめましたのでご参照ください。