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内分泌

高尿酸血症 hyperuricemia

1:尿酸の生理学 ヌクレオチドの産生経路は新規に作る経路(de novo経路)とプリン体を再利用する経路(サルベージ経路)の2種類があります。これらが代謝されると、キサンチンがキサンチンオキシダーゼにより最終的に尿酸となります。尿酸の産生は肝臓で行われており、1日約700mg/日産生されています。 このうち2/3は腎臓から排泄され、1/3は腸管で腸内細菌による分解されることで排泄されます(下図Ad […]

スタチン Statin

脂質異常症の治療薬として確固たる地位を築いたスタチンに関してまとめます。ここではスタチンの薬理作用、特徴に関してまとめるため、脂質異常症での薬剤治療適応に関してはこちらをご参照ください。 作用機序 HMG-CoA還元酵素を阻害することで体内でのコレステロール合成を抑制することが作用機序になります。 強度 スタチンがどの程度LDL濃度を低下させるか?をスタチンの「強度」と表現します。強度はスタンダー […]

脂質異常症 薬剤治療適応

ここでは脂質異常症に対しての介入方法をまとめます。海外のガイドラインは日に日にややこしさを増していて、また日本との相違点もあるため解釈が難しいところもあるので、細かいことにとらわれすぎず大枠をとらえることが重要と思い解説します。 薬剤治療の適応は? 脂質異常症の薬剤治療は「スタチン」が鍵の薬剤になります。スタチンの治療で理解しておくべき重要な点は背景の心血管合併リスクによりスタチンによる心血管合併 […]

高TG血症とフィブラート製剤

高TG血症は何が問題なのか? 高TG血症(hypertriglyceridemia:高トリグリセリド血症)は患者さんの~10%程度に認めるとされ、日常診療で患者さんのお薬手帳をみるとフィブラート製剤が入っていることがよくあります。しかし、本当にこれらの薬剤が必要なのか?そもそも高TG血症は何が問題なのか?を疑問に思い勉強した内容をまとめます。以下のほとんどをEuropean Heart Journ […]

ニコチン酸

今回はあえて処方するべきではない薬の紹介をします。患者さんのお薬手帳を見るとこの薬剤(ユベラ®)を内服している患者さんがかなり多く、本当に必要なのか疑問に思いポリファーマシー対策として勉強しました。 一般名:ニコチン酸(ナイアシン、ビタミンB3)商品名:ユベラN® 製剤:100mg/1Cp・細粒 処方例(処方しないけれど):100~200mg 1日3回投与作用機序:HDL上昇 副作用:皮膚紅潮、掻 […]

PCSK9阻害薬

1:生理・作用機序 PCSK9は”Proprotein Convertase Subtilisin/Kexin type9″の略で、2003年に発見され、フランスの家族性高コレステロール血症患者がPCSK9を過剰発現していることが分かり脂質異常症におけるターゲットとして注目されるようになりました。 PCSK9は肝臓のLDL受容体を分解する働きをします(下図)。LDL受容体は […]

エゼチミブ Ezetimibe

脂質代謝異常に対する薬剤はここ最近種類が増えてきており、日に日にややこしさが増しています。今回はエゼチミブ(Ezetimibe)に関して勉強したことをまとめます。 作用機序:エゼチミブはNiemann–Pick C1–like 1 (NPC1L1)を標的として、腸管からのコレステロール吸収を阻害する作用機序を持ちます。 一般名:エゼチミブ 商品名:ゼチーア® 製剤:10mg   *スタチンとの合剤 […]

SU剤 スルホニル尿素薬

■作用機序 膵臓β細胞のKATPチャネルに作用し、Kの細胞外への流出を阻害することで、細胞膜が脱分極し、電位依存性カルシウムチャネルが開口しCaイオンが細胞内に流入することでインスリンを分泌する薬剤です。 ■特徴 ・大血管合併症予防効果あり・体重増加、低血糖リスク大・二次無効がある SU薬は経口血糖降下薬として古くからある薬で大血管合併症予防効果が証明されていますが、何しろ体重増加と低血糖リスクが […]

α-GI α-グルコシダーゼ阻害薬

■作用機序 2糖類をグルコースへ分解するαグルコシダーゼを阻害することで、血糖値の上昇を緩やかにする作用を持つ薬剤です。 ■特徴 ・大血管合併症予防効果なし・体重増加リスクなし・低血糖リスク低い・1日3回の内服かつ食前のためコンプライアンスは悪くなりやすい・副作用は多い(消化管症状) 大血管合併症予防効果は示されておらず、第1選択薬にはならない薬です(しつこいですが第1選択はメトホルミン)。体重増 […]

DPP4阻害薬

■作用機序 インクレチンの分解酵素である、DPP4を阻害することで、インクレチン受容体への作用を増強し、膵臓β細胞からのインスリン分泌を促進する機序です。インクレチンは腸管に食事がくると消化管から分泌されることから、血糖値依存的にインスリン分泌を促進するため、低血糖リスクが低く、また食後高血糖に効果があります。 ■特徴 ・第1選択薬にはならない(必ずメトホルミンが第1選択)・大血管合併症予防効果が […]