分野:集中治療 久しぶりにおすすめの医学書の情報を載せます。(下図をクリックするとAmazonリンクへ移動できます)
1:どんな本?
Marino先生の単著!!(一人で全部書いていてすごい!)で、その豊富な臨床経験に基づいた観察と生理学の知識に裏打ちされた解説は圧巻です。普通の教科書は事実をまとめて羅列する無機質な記述が多いですが、本書はMarino先生が語りかけるように書かれておりとても読みやすいです(Marino先生の意見、腫脹が全開で楽しい)。原著も英語は平易であり読みやすいと思います。集中治療領域のほぼ全てをカバーしているため分厚く、持ち歩きにはあまり向いていません。
輸血の基準はHb<7.0g/dLでいいのか?酸素の害はないのか?といった普段ついつい流してしまいがちな臨床の根本的な疑問にどんどん突っ込んでいく内容が書かれており、はっとさせられる記述が多いです。
2:どんな人向け?
マニュアル要素は「ゼロ」です(注意!!)。深く生理学の背景から理解するための本なので、読んで今すぐ臨書に役立つという本ではないかもしれせん。ICUをローテートする研修医の先生である程度時間が出来た時に教科書として読むのに向いている本だと思います。文体は読みやすいのですが、内容は比較的難しいため読むのに時間がかかると思います。私はこの本が大好きで、研修医のときからいまだに気になった内容を繰り返し読んでいます。