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てんかん発作と不整脈

てんかん発作と不整脈の関係に関して調べます。意外と心室頻拍などの心室性不整脈に関しては情報がまだ得られていません。ほとんどがasystoleに関してですね。
*参考文献:Neurol Neurosurg Psychiatry 2016;87:69–74.
内訳:ictal asystole 103例, postictal asystole 13例, ictal bradycardia 25例, ictal AVB 11例, postictal AVB 2例, ictal(or postictal) atrial flutter/fibrillation 14例, postictal VF 3例

ictal tachycardia
・~80%に同性頻脈を認める(不整脈の中では最多)

ictal asystole: 焦点てんかんの焦点起始意識減損発作で認めることがある
・発作発症の平均30秒後にictal asystole
・持続時間は20秒(3-96秒)全例自然頓挫
・部位:側頭葉(左右どちらが多いかは一貫していない)
*左島皮質の刺激は心拍数低下や、右島皮質刺激は心拍数増加へ関与するという報告もあるが、実際にはわからない。 Cardiovascular effects of human insular cortex stimulation. Neurology 1992; 42: 1727–1732.
*自律神経中枢への作用の可能性あり 特に辺縁系(帯状回, 偏桃体, 島皮質など)
→vasovagal syncopeでの機序と似ている(恐怖などが辺縁系に関与することで徐脈や血管拡張に繋がらる)

postictal asystoleFBTCSで認めることが多い
・持続時間30秒
・PGESと無呼吸の後にpostictal asystoleを生じることが多い
・SUDEPとして亡くなる場合がある(SUDEPと関連ある可能性が高い)

*機序に関して下図まとめ

postictal AF/VF
・けいれん性発作で認めることがある
・交感刺激賦活が関与している可能性あり
・てんかん患者は一般人口と比較して約3倍VT/VFのリスクが高いが、これはseizureとは直接関係なく併存の心血管疾患によるものの可能性がある

参考文献
Epilepsia, 51(5):725–737, 2010