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フマル酸ジメチル dimethyl fumarate

一般名:dimethyl fumarate
商品名:テクフィデラ 2016年12月承認、2017年2月日本での薬価収載
作用機序:Nrf2転写経路を活性化する(細胞防御機構)→炎症反応を抑制して細胞障害に対して保護的に働く

適応:RRMS(再発予防・進行抑制いずれも) *PPMS, SPMSに対しての有用性は確立していない

製剤

製剤:経口内服 120mg, 240mg/1Cp
使用方法
・120mg 2Cp2x:最初1週間導入
・240mg 2Cp2x:1週間後からの維持量
*120mg 2Cp2xでの有用性は認められていない
*基本的に単剤投与での管理

副作用

・全身症状:flushほてり、消化管症状 基本的に1か月以内に落ち着くことが多い
・リンパ球減少(最重要)
・PML報告あり

■投与禁忌:本剤過敏症以外なし(併用禁忌薬剤もなし)

■妊娠に関して(添付文章の記載):治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること(妊娠中の投与に関する安全性は確立していない)。 
*授乳中の妊婦に投与することを避けること。
*多発性硬化症と妊娠に関してはこちらにまとめがあるのでご参照ください。

投与開始前のチェック項目

・リンパ球測定
・初回投与3か月以内のMRI検査(ベースライン)
*その他特殊な検査は必要ない

投与開始後のチェック項目

・最低3か月に1回採血検査チェック(リンパ球数)

■投与中止基準 *PMLリスク
・リンパ球6か月以上継続して500/mm3未満:投与中止を考慮
・ リンパ球6か月以上継続して500~800/mm3:メリットデメリットの臨床判断

参考文献
・多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017年追補版
・テクフィグラ適正使用ガイド Biogen社提供