ポイント
1:解熱鎮痛薬の第1選択(長期使用での副作用が比較的少なく、NSAIDsの前にまず使用を検討)
2:十分量を使用して効果がない場合にはじめて他の解熱鎮痛薬を検討する(投与量が十分でない状態で「効果なし」と判断されている場合が多い点に注意)
3:NSAIDsと異なり抗炎症作用はない(痛風などには効果がない)
特徴
・作用機序:NSAIDsと異なり末梢での抗炎症作用は持たない(このため炎症を抑えることが主体の痛風などの病態では効果があまりない)。機序は正直あまりわかっていない。
・解熱鎮痛薬の第1選択(いきなりNSAIDsを使用する前にまずアセトアミノフェンを十分量投与して管理が出来ないかを検討する)
・副作用:NSAIDsと比較して少なく安全性は高いため、特に高齢者ではまずアセトアミノフェンの使用を検討する。妊婦、授乳婦も安全に使用可能。
・相互作用:ワーファリン作用を増強する場合あり
具体的な薬剤
1:内服薬
商品名:カロナール 製剤:200mg, 300mg/錠、細粒20%
*アセトアミノフェンを配合している薬剤:SG配合顆粒(1gあたりアセトアミノフェン250mg配合)、PL配合顆粒(1gあたりアセトアミノフェン150mg配合)、トラムセット配合錠(1錠あたりアセトアミノフェン325mg配合)
投与間隔:4-6時間あける 最大投与量:4000mg/日
投与方法
(処方例)カロナール300mg 2錠(=600mg) 発熱時・疼痛時内服
*効果が不十分な場合は投与量が十分でない場合が多く、筆者は1回あたり600mgまで投与して効果がない場合に効果なしと判断している。
2:静注薬
商品名:アセリオ 製剤:1000mg/静注液バッグ(希釈せずにそのまま使用する)
投与方法:1回300-1000mg、15分かけて静注投与
投与間隔:4-6時間以上あける
(処方例)アセリオ1000mg 15分かけて点滴静注投与
*注意点:急速に投与すると血圧が低下する場合があり注意が必要。