分水嶺領域の脳梗塞 watershed infarction

分類

2つの主幹動脈の境界部分を分水嶺領域(watershed area/ border zone)と表現し、同部位に脳梗塞をきたす場合があります(脳梗塞全体の約10%を占めるとされています)。分水嶺領域は“external(cortical) border zone”“internal(subcortical) border zone”の2つに大きく分類されます。

1:External(cortical) border zone
原因:塞栓性(>血行力学性) 他の場所よりもhypoperfusionのため、塞栓がwashoutされないことが原因として考えられている。血行力学性機序が見当たらない場合が多いことが指摘されている。
形態:楔形(wedge-shaped)や卵円形(oval)の梗塞域を呈します
・前頭葉皮質:ACAとMCA
・後頭葉皮質:MCAとPCA
・傍正中皮質:ACAとMCA

2:Internal(subcortical) border zone
原因:血行力学性 internal border zoneの梗塞はexternal border zoneの梗塞よりも神経学的予後が悪いことが指摘されている。
形態:ロザリオ様(rosary)やchain-like
・レンズ核線条体動脈とMCAの境界域
・レンズ核線条体動脈とACAの境界域
・Heubner動脈とACAの境界域
・前脈絡叢動脈とMCAの境界域
・前脈絡叢動脈とPCAの境界域

*external + internal border zoneいずれもある場合はhemodynamicな機序が働いている可能性が高い。

具体的な分水嶺領域の分布は下図の通りです(青字:external border zone, 赤字:internal border zone)。

■External border zone infarction例(下図)

■Internal border zone infarction例(下図)

具体的なデータ

今までは概略を説明しましたが、具体的なデータをみていきます。分水嶺領域梗塞を比較検討(Internal border zone梗塞45例、external border zone梗塞75例)した論文(Stroke. 2006;37:841-846)ではinternal border zone梗塞は形態はロザリオ様が多く、主幹動脈の閉塞or狭窄を認める一方でexternal border zone梗塞では形態は卵円形や楔形が多く、皮質領域の梗塞を随伴しすることが指摘されています(下図参照)。

参考文献

・RadioGraphics  2011; 31:1201–1214:最も分水嶺領域梗塞に関してまとめられた文献と思います。具体的なシェーマが付いておりわかりやすいです。

・Stroke. 2006;37:841-846

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