注目キーワード

SSRI/SNRI 選択的セロトニン再取り込み阻害薬

  • 2020年10月18日
  • 2024年8月6日
  • 薬剤

作用機序

シナプス前細胞でのserotonin再取り込み阻害することによる、シナプス間隙のserotonin濃度上昇が作用機序です。

分類

■SSRI

分類SSRI
パロキセチンフルボキサミンセルトラリンエスシタロプラム
商品名パキシル® 徐放錠:パキシルCR®デプロメール® ルボックス®ジェイゾロフト®レクサプロ®
製剤5mg, 10mg, 20mg 徐放錠:12.5mg, 25mg25mg, 50mg, 75mg25mg, 50mg, 100mg10mg
開始量5mg/日50mg/日12.5-25mg/日5-10mg/日
投与回数1日1回1日2回1日1回1日1回
最大40mg/日150mg/日100mg/日20mg/日
代謝CYP2D6 *腎機能障害投与量調節CYP1A2,CYP2C9, CYP2C19CYP2C9,CYP2C19, CYP2D6,CYP3ACYP2C19
特徴 副作用換算:パキシル10mg =パキシルCR12.5mgSSRIで唯一1日2回投与QT延長禁忌 心疾患では投与避ける

■SNRI

分類SNRINaSSA
ミルナシプランデュロキセチンベンラファキシンミルタザピン
商品名トレドミン®サインバルタ®イフェクサーSR®レメロン リフレックス
製剤12.5mg, 15mg,  25mg, 50mg20mg, 30mg37.5mg, 75mg15mg, 30mg
開始量25mg/日10-20mg/日37.5mg/日15mg/日
投与回数1日2-3回投与1日1回投与1日1回投与1日1回投与
最大100mg/日60mg/日225mg/日45mg/日
代謝CYP関係なしCYP2D6CYP2D6, CYP3A4CYP1A2, CYP2D6,  CYP3A4
禁忌尿閉CCr<30ml/min 高度肝障害 閉塞隅角緑内障CCr<15ml/min 重度肝障害
併用禁忌:MAO阻害薬
特徴相互作用少ない神経障害性疼痛の適応効果発現が早い

副作用

SSRIとSNRIの副作用は基本的に同じです。三環系抗うつ薬と異なり抗コリン作用がないため使いやすい点が特徴として挙げられます。
嘔気下痢 最も頻度が多い
睡眠障害 不眠、傾眠どちらもあり
性腺機能障害 性欲減退など
体重上昇
上部消化管出血*注意
QT延長

副作用の薬剤ごとの比較、またその他の抗うつ薬との比較は下図の通りです(Up to dateより参照)。

この様に副作用も三環系抗うつ薬などと比べると比較的少なく、使用しやすい薬剤ですがうつ症状に対して内科医が気軽にぽんとSSRI、SNRIを処方することが避けるべきと個人的には考えております。理由としてはSSRI、SNRIは若年者だと病初期に自殺リスクが上昇してしまう可能性が指摘されていることがあります。やはり注意が必要な薬には代わりありません。また抗うつ作用を持つのには数週間かかるとされています。

セロトニン症候群に注意が必要で、セロトニン再取り込み阻害作用を有している薬剤と併用することがリスクが上昇するため注意が必要です。セロトニン症候群に関してはこちらにまとめがありますのでご参照ください。

またSSRI、SNRIを急に中断すると離脱症状をきたす場合があり、急な中断も避けるべき薬剤です。