サルモネラ感染症

ここではチフス以外のサルモネラ感染症を扱います。具体的な菌としてはSalmonella(S.enteritidis/S.typhimurium/S.heidelberg/S.newport/S.agona)による感染症です。腸内細菌科のGNRで、基本自然界のどこにでも存在しているとされています。

感染経路

1:食べ物卵、鶏肉が代表的
*卵黄1/10,000はSalmonella enteritidisに感染している
*その他:トマト、肉、ミルク、アイスクリームなど

2:動物との接触(6%程度):爬虫類(特に亀)

■潜伏期間:6~48時間(~72時間)

症状

■腸炎

下痢は3~7日程度で軽快し、血便ではない場合が多いとされています。発熱は通常72時間以内に軽快するとされています。臨床症状のみから他の細菌性腸炎との鑑別を進めることは困難です。救急外来での下痢症に関してはこちらをご参照ください。

■腸管外合併症

サルモネラ感染症の特徴はこの腸管外合併症がある点で、特に血管との親和性が高いことが挙げられます。菌血症の合併が8%程度あり、菌血症患者のうち5~10%が局所感染を引き起こすとされています(また消化管症状がなく菌血症のみを呈する場合はHIV感染症の可能性があるとされています)。以下に各臓器ごとの腸管外合併症をまとめます(図はマンデルから参照しました)。

治療

基本的には抗菌薬必要ありません(S.typhi以外のSalmonella感染症に対しては)。
抗菌薬治療により症状期間を短くする効果はないとされています(抗菌薬治療により逆に菌体保有期間が長引いてしまう可能性もあり)。以下の場合に抗菌薬治療を検討します。

■抗菌薬治療の適応

1:非菌血症でも治療開始をする場合
-1才(髄膜炎riskのため)、50才以上(動脈硬化病変での血管感染riskのため)*50才以上のSalmonella菌血症患者のうち10%が感染性動脈炎を合併している
血管内人工物患者(人工弁、人工血管など)
・HIV患者
・免疫抑制状態

2:菌血症の場合

■治療期間

非菌血症の場合:7日間
菌血症の場合:14日間(その他の臓器への感染がない場合)
*免疫抑制患者での菌血症は4-6週間が推奨*フォローアップの便培養検査は行わない

■抗菌薬選択

・quinolone LVFX500-750mg・CTRX 1-2g q24hr

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