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医学いろいろ

嘔気・嘔吐へのapproach

0:嘔気・嘔吐の機序 嘔気、嘔吐の機序は多岐にわたり、1:消化管・内臓からの迷走神経刺激2:前庭刺激3:中枢神経からの刺激4:最後野の直接刺激が原因として挙げられます(上図参照)。 嘔気は診断が難しい主訴のうちの1つだと思います。その原因としては、・疾患特異性に乏しい症状である(いろんな疾患で嘔気は呈するが、嘔気だからこの疾患と特定することが出来ない)・嘔吐が強いと嘔吐にばかり目がいってしまい他の […]

なぜ血圧を上げるのか? カテコラミンの理解のために

なぜ血圧を上げるのか? 私たち医療者は患者さんの血圧が下がると不安な気持ちになり、頑張って血圧を上げようとします。一見臨床では当たり前の光景ですが、そもそもなぜ血圧を上げる必要があるのでしょうか? 血液循環本来の目的は「酸素化された血流を組織へ届けること」です。組織への血流は下の式で規定されます。 「還流圧」は心拍出量によって規定されます(電気回路に例えると「電圧」に該当します)。 「血管抵抗」は […]

抗ヒスタミン薬

0:ヒスタミンの作用 ヒスチジン(L-histidine)が脱炭酸酵素によりヒスタミンとなります。このヒスタミンは大きく以下の2つのプールに存在します。 1:slowly turning over pool:肥満細胞、好塩基球→分泌顆粒に貯蔵2:rapidly turning over pool:胃、中枢神経系→必要時に合成され放出 このなかでもここでは肥満細胞の貯蔵され放出されるヒスタミンに関し […]

尿電解質

尿電解質を理解せずして「電解質異常」と「酸塩基平衡」を語ることは出来ません。ここではそれぞれ尿電解質(特にNa, K ,Cl)の役割を簡単にまとめます。 まずはじめに「尿電解質に固定された正常値というものはない」という点を強調させて下さい。血液中の電解質は例えば血漿Na濃度=135~145mEq/Lと非常に狭い範囲でコントロールされています。人体にかかるNa負荷は日々異なりますが、腎臓が供給量に合 […]

腹直筋鞘血腫 rectus sheath hematoma

最近腹直筋鞘血腫を経験したので勉強したことをまとめます。比較的稀な疾患だとは思いますが、今回臨床的に疑うことが出来ず次回に活かせるようにまとめます。日本では「腹直筋血腫」と呼ぶことがありますが、海外の文献はほぼすべて “rectus sheath hematoma”(sheath=鞘・さや)となっているため、ここでは「腹直筋鞘血腫」と表現を統一します。 0:解剖・病態 腹直 […]

尿検査所見

1:尿比重・尿浸透圧 尿比重(正常値): 1.002~1.035尿浸透圧(正常値 ):50~1200mOsm/kg 体液量の評価で尿浸透圧の代用として使用します。前提条件を満たした場合(尿糖・造影剤・マンニトールいずれもなし)に尿比重は尿浸透圧と相関関係にあり、尿比重が”0.010″増えるごとに尿浸透圧が”350mOsm/kg”上昇すると覚えます(下 […]

脊髄梗塞 spinal cord infarction

0:脊髄血管の解剖 ・横断面 以下に横断面を載せました。理解するべき血管は、・前脊髄動脈(ASA: anterior spinal artery):脊髄の中心部~前2/3を支配し、脊髄の前面に1本存在し、吻側→尾側に流れます。・後脊髄動脈(PSA: posterior spinal artery):脊髄の外側~後1/3を支配し、脊髄の後面に2本存在し、脊髄後面で動脈叢(Vasa corona)を形 […]

脊髄疾患 総論・まとめ

0:はじめに 脊髄に病変をきたす疾患は膨大です。ここでは、脊髄疾患ということまでは分かったけど、診断が分からない場合にどのように系統的アプローチをしていけばよういかを解説します(主に Pract Neurol 2018;18:187 より引用しています・秀逸なreviewです)。脊髄疾患の鑑別においては、 1:発症様式と経過2:脊髄内での病変分布(短軸)3:病変の長さ(長軸) long or sh […]

セフェピム脳症 cefepime-induced encephalopathy

先日セフェピム脳症の症例を久しぶりに経験しました。ESRD患者のSerratia菌血症に対してCFPM投与によって、投与2日で不穏状態になってしまい、中止後3日程度で自然と意識状態は改善しました。疾患の臨床像、自然経過を勉強するためいくつかreviewを読みまとめました。 1:病態 抗菌薬関連脳症(AAE: antibiotics associated encephalopathy)という概念があ […]

低K血症/低カリウム血症 hypopotassemia/hypokalemia

1:K代謝の生理学 まずK代謝の特徴を端的に述べると、 1:細胞内・外シフトが血中K濃度に大きな影響を与える( 細胞内のKが細胞外よりも圧倒的に多い)。2:尿中からのK排泄量を”0″にすることは出来ない(尿中Na排泄量はほぼ”0″にすることが出来るのに対して)。 という2点が特に特徴的だと思います。これからは以下の代謝図を参考にしながらK代謝の生理学 […]