ChiariⅠ型奇形
先日ChiariⅠ型奇形と脊髄空洞症を合併している症例を経験しました。実は私はほぼ経験がなく、勉強した内容をまとめていきたいと思います。 病態 ChiariⅠ型奇形は小脳扁桃が脊柱管内へ病歴に下垂している状態です。Chiari奇形には複数のパターンがありますが、このChiariⅠ型が最も一般的なものです。病因は正確には分かっていないですが、発生の過程で後頭蓋窩が相対的に小さいため、小脳扁桃が後頭蓋 […]
先日ChiariⅠ型奇形と脊髄空洞症を合併している症例を経験しました。実は私はほぼ経験がなく、勉強した内容をまとめていきたいと思います。 病態 ChiariⅠ型奇形は小脳扁桃が脊柱管内へ病歴に下垂している状態です。Chiari奇形には複数のパターンがありますが、このChiariⅠ型が最も一般的なものです。病因は正確には分かっていないですが、発生の過程で後頭蓋窩が相対的に小さいため、小脳扁桃が後頭蓋 […]
0:病歴は何を教えてくれるのか? 神経変性疾患は血管障害や感染症、自己免疫疾患などと異なりその多くが「緩徐発症」(insidious onset)の疾患です。ここで重要なのは「いつから障害があったのか?」と「どう障害部位が進展してきたのか?」を病歴でつかむことです。突然発症の疾患はその発症起点の把握が容易ですが、緩徐発症の場合は「いつまで大丈夫で、いつから病気が始まっていたのか?」を把握するのが難 […]
ここでは病歴の発症様式、特に「突然発症」(sudden onset)に関して簡単に解説します。主に初期研修医の先生方向けの内容になります。 1:突然発症と急性発症を区別する いきなりですが、突然(sudden)と急性(acute)は明確に区別する必要があります。「突然発症」は発症時の何時何分が特定できる状況を意味し、「急性発症」は特定できない状況を意味します。よく病歴のプレゼンテーションで突然発症 […]
再発性髄膜炎は最低2回の細胞増加を伴う頭痛、発熱、髄膜刺激徴候(間欠期に寛解している)と定義されます。実臨床でもよく遭遇するため、ここでは再発性髄膜炎に関しての素晴らしいreview”Curr Pain Headache Rep 2017;21:33″の内容をまとめます。 鑑別 再発性髄膜炎の鑑別は1感染症、2悪性腫瘍、3良性腫瘍、4薬剤性、5自己免疫性の大きく5つのカテゴ […]
1:解剖 小脳全体で線維の割合は(入力40:出力1)となっています(出力は上小脳脚)。その中で中小脳脚(MCP: middle cerebellar peduncle)は脳幹と小脳を結ぶ最大の架け橋・求心性線維です。中小脳脚の病変がある側と同側に失調症状をきたします(2回交叉するため同側になる)。同部位に病変をきたす疾患をここではまとめます(全ての内容・図はWorld J Radiol 2015 […]
“Cingulate sulcus sing”は本日チームカンファレンスで後輩の先生から教えてもらったiNPH(正常圧水頭症)で有用な画像所見です(私恥ずかしながらこの所見を知りませんでした・・・)。日本からの報告(Radiat Med (2006) 24:568–572)を掲載させていただきます。 この研究は21人の健常者、10人iNPH、11人AD、5人PSP患者(いず […]
髄膜炎の鑑別で話題に挙がったテーマでありまとめます。以下はすべてNeurology® 2016;87:1171–1179によるものです(おそらく最も人獣共通感染症の髄膜炎をまとめたreview)。図・Figure/Tableが素晴らしいため、ほぼ張り付けただけで申し訳ございません。 細菌性髄膜炎のうち人獣共通感染を起こす菌が原因となることは1%未満、Streptococcus suisとLepto […]
病態 結核性髄膜炎は全結核の約1%を占め、全年齢に起こりますが特に小児やHIV未治療の患者さんに多いとされています。結核性髄膜炎ではCSF内の菌量は100~1000コロニー/mLを超えることはまれで、菌量ではなく宿主の免疫反応が組織障害の程度を規定するとされています。 結核性髄膜炎がどのように引き起こされるか?その機序はいまだ完全には解明されていません。結核菌は血液からBBBを超えて、ミクログリア […]
病態 硬膜外脂肪識へ細菌感染をきたす病態です。以下に簡単に脊椎領域の硬膜外腔の解剖を示します。 部位 血行性に膿瘍を形成する場合、膿瘍部位は硬膜外の後方が多いとされています。理由は後方の方が前方と比べて”infection prone fat”(つまり感染する脂肪が多い)とされ、胸腰髄領域が硬膜外腔が広く、静脈叢が低圧であることから感染をきたしやすいとされています。化膿性脊 […]
Flail arm syndromeは様々な表現をされますが(たるに人が閉じ込められた様にみえることからman-in-the-barrrel syndromeという表現など)、運動ニューロン疾患の亜型として有名な症候群です。上肢の近位筋優位・左右対称性に進行性の筋力低下・筋萎縮をきたし、下肢筋力低下や球症状をほとんど伴わないことが特徴とされています(錐体路徴候も認めない場合が多いです。以下の写真は […]