異常蛋白血症に伴う末梢神経障害 Paraproteinemic neuropathy
異常蛋白血症(paraproteinemia)とは? まず基本的なおさらいですが、形質細胞由来の免疫グロブリンはHeavy chain(H鎖)とLight chain(L鎖)の2つから構成されています。H鎖はIgG,IgA, IgM, IgD, IgEの5種類があり、L鎖はκとλの2種類があります。これらが組み合わさることで免疫グロブリンを構成しています。そして、このうちある一種類の免疫グロブリン […]
異常蛋白血症(paraproteinemia)とは? まず基本的なおさらいですが、形質細胞由来の免疫グロブリンはHeavy chain(H鎖)とLight chain(L鎖)の2つから構成されています。H鎖はIgG,IgA, IgM, IgD, IgEの5種類があり、L鎖はκとλの2種類があります。これらが組み合わさることで免疫グロブリンを構成しています。そして、このうちある一種類の免疫グロブリン […]
病態 Cerebellar ataxia with neuropathy and vestibular areflexiasyndrome(CANVAS)は両側の前庭機能障害,小脳失調、感覚神経障害の3徴とする症候群で報告されたものです。2011年に疾患概念が提唱されまだ歴史の浅い疾患です(Neurology 2011;76:1903-1910.)。 遺伝子としては4p14に存在するRFC1(re […]
病態 POEMS症候群(Polyneuropathy, Organomegaly, Endocrinopathy, M protein, Skin changes)は形質細胞腫を背景とした多臓器疾患で、VEGF(vascular endothelial growth factor)血管内皮増殖因子の過剰産生が関与しています(Crow-深瀬症候群)。VEGFは骨髄の形質細胞由来であることが指摘されて […]
頚髄領域、腰髄領域はそれぞれ手、足があるので運動障害によるレベルの同定がやりやすいですが、胸髄領域は運動からのレベルの同定が難しいです。ここでは胸髄病変によるレベルの同定に役立つ神経診察を紹介します。 Beevor徴候 Beevor 徴候とは,「仰臥位になった患者の頭部を挙上させると臍が上方へ移動する現象」を表します。正常では頭部を挙上させようとしても臍の位置は変わりません。これは上部腹直筋と下部 […]
恥ずかしながら私はまだPLSを診断したことがありません。最近本疾患を外来で疑うことがあったため勉強した内容をまとめます。ほとんどの内容をPract Neurol 2020;20:262–269より引用させていただきました。 病態 PLS(primary lateral sclerosis)は孤発性、緩徐進行性の純粋な上位運動ニューロン兆候を主体とした変性疾患です。MND(motor neuron […]
先日後輩の先生から腹痛を主訴とした肺塞栓症の症例を教えていただきました。自分はまだ経験したことがないのですが、果たしてきちんと鑑別できるのか?全く自身がなく既報を調べてみました。 なぜ肺塞栓症で腹痛を呈するのか? 胸膜炎や肺炎が季肋部痛、上腹部痛を呈することはよく知られています。これらは胸膜の炎症が機序として考えられています。肺塞栓症の場合は様々な機序が考えられています。・肺塞栓症により右心負荷が […]
AICA(anterior inferior cerebellar artery:前下小脳動脈)は中小脳脚、橋外側部、小脳などを還流しています。AICA梗塞は脳血管障害で唯一難聴を呈する点で重要です。頻度はかなり稀ですが、「めまい」、「難聴」の救急で特に重要なためここでまとめます。 血管解剖 内耳を栄養する迷路動脈はAICAからの分枝になります(下図参照)。AICA梗塞の原因としてはAICA自体の […]
サルコイドーシスによる眼障害としては前部ブドウ膜炎が有名で、脳神経障害としては顔面神経麻痺が有名ですが、ここでは視神経症を取り上げます。基本的には亜急性経過の視神経症の臨床像で52例のサルコイドーシスによる視神経症をまとめた報告の内容をまとめます(Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm 2016;3:e270)。 視神経症をきたす病態としては視神経自体の炎症、浸潤もしくは […]
病態・原因 髄膜は硬膜、くも膜、軟膜に分けられますが、ここではこのうち硬膜に主病変がある肥厚性硬膜炎を取り上げます。硬膜病変へのアプローチ一般に関してはこちらにまとめましたので、ご参照ください。 感染症は肥厚性硬膜炎の原因としては現代は比較的まれだとされています。 自己免疫関連ではGPA(多発血管炎性肉芽腫症)が原因として最も多いと報告されており、側頭動脈炎・サルコイドーシスも重要な原因となります […]
病態 神経有棘赤血球症(Neuroacanthocytosis)は有棘赤血球(下図参照)を伴い、神経症状を呈する病態の総称です。この有棘赤血球自体が神経症状を引き起こすのか?別の問題なのか?に関しては不明な点も多いです。疾患頻度は極めてまれで、全世界で200例程度、うち日本から100例程度の報告があり日本で比較的報告が多い特徴があります。 分類 神経有棘赤血球症は舞踏運動といった不随意運動を呈する […]