分類(以下はいずれもⅠ型アレルギー)
1:即時型アレルギー(アナフィラキシー)
2:食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis:FDEIA)
3:口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome: OAS)
原因
・鶏卵、牛乳、小麦が3大アレルギー原因(これらは幼少期にアレルギーとなりやすいが、年齢が上がると耐性獲得をしやすい)
・その他重要なものはそば、ピーナッツ(落花生)、エビ、カニ(耐性獲得少ない、これらはアレルギー表示義務がある)。
・各食品と交差反応や発症年齢、耐性獲得の対応関係は下図参照。
食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis:FDEIA)
・病態:運動だけ、食べ物だけでは問題ないが、ある食べ物を食べ運動した後(通常2時間以内)に限りアナフィラキシーを引き起こす。
・誘発因子:感冒、睡眠不足や疲労などのストレス、月経前状態、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)摂取、アルコール摂取、入浴など
・原因:小麦(61.9%)>エビ・カニ(11.9%)>果物(8.4%)など
参考文献:厚生労働科学研究補助金 免疫アレルギー疾患実用化研究事業「生命予後に関わる食物アレルギーの実態調査・新規治療法の開発および治療指針の策定」研究班(研究代表者:森田栄伸):食物依存性運動誘発アナフィラキシー.特殊型食物アレルギーの診療の手引き 2015,pp2-3, 2015
口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome: OAS)
・病態:口唇、口腔粘膜、咽頭粘膜でのIgEを介した即時型アレルギー。
・症状:口唇、口腔内の掻痒感や咽頭のいがいがした違和感など。アナフィラキシーのリスクは相対的に成人では低い。
食べ物アレルギーの検査
1:抗原特異的IgE抗体検査 (原因と考えられるもの)
2:皮膚プリックテスト
3:食物経口負荷試験(専門施設で行う)
*抗体検査、プリックテストいずれも偽陰性、偽陽性が多いため解釈に注意が必要
*皮内テストは危険性が高く一般的に行わない
治療:必要最小限の原因食物の除去
参考文献
・食物アレルギーの診療の手引き2017「国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)難治性疾患等実用化研究事業免疫アレルギー疾患等実用化研究事業(免疫アレルギー疾患実用化研究分野) 小児期食物アレルギーの新規管理法の確立に関する研究」
・N Engl J Med 2008;359:1252-60.
・J Allergy Clin Immunol. 2001 Dec;108(6):881-90.