Dandy walker奇形 / Blake’s pouch cyst

病態

Dandy walker奇形は「小脳発生過程での菱脳蓋の先天奇形」が病態です。Dandy walker奇形だけではなく、Blake’s pouch cystも菱脳蓋の先天奇形に該当し、Dandy walker奇形は小脳虫部の形成不全を伴うとされますが、Blake’s pouchでも形成不全を伴う場合があります。これらは完全に区別できるものではなく同一病態のspectrumに属しており”Dandy walker continuum/spectrum”とも表現されます。

まず小脳の発生過程を図で確認します。第4脳室の天井(菱脳蓋)を構成するものがAMA(anterior membranous area)PMA(posterior membranous area)で、この間に脈絡叢が位置します(下図参照)。このAMA部分は本来であれば発生過程で消失しますが、これが消失せずに拡張した状態(この拡張した嚢胞を”Dandy walker cyst”と表現します)+小脳虫部の低形成が“Dandy walker奇形”に該当します。

また第4脳室はmagendie孔を通じてくも膜下腔と交通をしていますが、発生の過程ではPMAに”blake’s pouch”という部分が欠損することでmagendie孔が出来上がります。“blake’s pouch”が欠損せずに遺残し、拡張した構造が”blake’s pouch cyst”に該当します(通常小脳虫部の形成不全は伴わないとされています)。

これらをまとめると下図になります。

下図はDandy Walker奇形の画像です。

下図はBlake’s pouch cystの画像です。

後頭蓋窩嚢胞病変の鑑別

実際に上記を疑う場合は後頭蓋窩に嚢胞性病変や脳脊髄液と同じ信号の領域を認めた場合です。そこで後頭蓋窩嚢胞病変を下図にまとめました。発生学的に菱脳蓋由来のものが上記のDandy walker奇形とBlake’s pouch cystが該当し、くも膜由来のものがくも膜嚢胞、巨大大槽が該当します。

巨大大槽(mega cisterna magna):大槽はもともと上面:小脳虫部、前面:延髄、後面:頭蓋骨で囲まれたくも膜下腔です。これが上までせり出した構造(小脳谷の上端より上)を巨大大槽と表現します。

臨床像

以下ではDandy Walker奇形に関してです。疫学として頻度は1/25,000-100,000人(80%は1才までに診断される)であり、水頭症全体の1-4%を占めるとされています。

通常は精神運動発達・運動障害は伴わず(35-50%は認知機能障害なく経過)、認知機能障害は水頭症・小脳虫部の欠損程度・テント上の合併奇形によるとされています。

参考文献

・よくわかる脳MRI 第3版

・Radiat Med 2006;24:471

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