深部感覚失調 sensory ataxia
0:神経解剖 失調というと小脳失調が有名ですが、深部感覚が障害されても体の位置がわからなくなることで失調が生じます。 外部から皮膚に加えられた刺激は表在感覚と表現し、身体部位の運動・姿勢に関する身体内部(筋肉・骨・関節)由来の刺激を深部感覚といいます(固有感覚:proprioceptive sensation)。普段救急の神経診察ではあまり診察しない項目かもしれませんが、失調(ataxia)の評価 […]
0:神経解剖 失調というと小脳失調が有名ですが、深部感覚が障害されても体の位置がわからなくなることで失調が生じます。 外部から皮膚に加えられた刺激は表在感覚と表現し、身体部位の運動・姿勢に関する身体内部(筋肉・骨・関節)由来の刺激を深部感覚といいます(固有感覚:proprioceptive sensation)。普段救急の神経診察ではあまり診察しない項目かもしれませんが、失調(ataxia)の評価 […]
0:病態 1956年Miller-Fisherが3症例報告したことが端緒で、1992年抗GQ1b抗体の検出が報告されたこと(Neurology 1993;43:1911)で疾患概念が確立してきました(Miller FisherさんなのでMillerとFisherの間にハイフン”-“は入れない)。Guillain-Barre syndromeのなかでの位置付けとしは下図の通り […]
0:水平性眼球運動の機序 水平性眼球運動の機序に関して解説をします(私たちが随意的に水平方向を見るときに眼球をどうやって動かしているか?)。 水平方向を見るときには、前頭眼野(FEF: frontal eye field)からPPRF(paramedian pontine reticular formation:傍正中橋網様体)という側方注視中枢へ刺激が入ります。この刺激は同側の外転神経核に伝わり […]
0:はじめに 学生の時に勉強したときのイメージと実際の臨床像が全く違う疾患の1つと個人的には思います(学生の時にはこの疾患になったら死しかないと思っていましたが、実際には違います)。まず、疾患概念の理解の助けにもなるので、この疾患概念の推移を簡単に記載します。 1959年Adamsらによって橋中心性脱髄症候群CPM(central pontine myelinosis)の症例が初めて報告(AMA […]
0:生理 代謝性アルカローシスの主病態はHCO3-を腎臓から排泄する機序が障害されていることです(正常ではHCO3-が過剰になっても腎臓から排泄することで恒常性を維持することが出来る)。このため、HCO3-が腎臓で生理的にどのように再吸収、排泄されるかを理解することが重要です(下図のまとめから解説します)。 1:HCO3-の再吸収 HCO3-は基本的に集合管まででほぼ全て再吸収されます(近位尿細管 […]
0:脊髄血管の解剖 ・横断面 以下に横断面を載せました。理解するべき血管は、・前脊髄動脈(ASA: anterior spinal artery):脊髄の中心部~前2/3を支配し、脊髄の前面に1本存在し、吻側→尾側に流れます。・後脊髄動脈(PSA: posterior spinal artery):脊髄の外側~後1/3を支配し、脊髄の後面に2本存在し、脊髄後面で動脈叢(Vasa corona)を形 […]
0:はじめに 脊髄に病変をきたす疾患は膨大です。ここでは、脊髄疾患ということまでは分かったけど、診断が分からない場合にどのように系統的アプローチをしていけばよういかを解説します(主に Pract Neurol 2018;18:187 より引用しています・秀逸なreviewです)。脊髄疾患の鑑別においては、 1:発症様式と経過2:脊髄内での病変分布(短軸)3:病変の長さ(長軸) long or sh […]
先日セフェピム脳症の症例を久しぶりに経験しました。ESRD患者のSerratia菌血症に対してCFPM投与によって、投与2日で不穏状態になってしまい、中止後3日程度で自然と意識状態は改善しました。疾患の臨床像、自然経過を勉強するためいくつかreviewを読みまとめました。 1:病態 抗菌薬関連脳症(AAE: antibiotics associated encephalopathy)という概念があ […]
0:どんな疾患か? 「なんでこんな稀な疾患を取り上げるの?」と思われるかもしれないですが、急性脊髄硬膜外血腫は疾患頻度としてはマレですが、脳梗塞と間違えられてしまう疾患の王様でとても重要な疾患であるため紹介させてください。学校で習う病気ではないですし、私も恥ずかしながら卒後4年目で初めてこの疾患を知りました。私も自分で初療対応した症例はいままで2例しかありませんが、いずれの症例も脳梗塞と間違えてし […]
0:片側上下肢(顔面は保たれる)運動障害 ここでは顔の症状はないが、片側上下肢の運動障害を訴える患者へのアプローチを考える。特にここでも脳血管障害と鑑別になる「突然発症」の場合を考えていく。顔を含まなない上下肢の運動障害の場合は、必ず「本当に脳が責任病変でよいのか?」「脊髄が責任病変の可能性はないか?」という視点でのアプローチが重要となる。 1:急性脊髄硬膜外血腫 急性脊髄硬膜下血腫は非常にまれな […]