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GPA(granulomatosis with polyangitis) 多発血管炎性肉芽腫症

去年から新しい病院に移動になりGPAを診療する頻度が上がりました(それまでは恥ずかしながらほとんどなかったのですが・・・)。ANCA関連血管炎でNeurologyにとっても重要な病態なので勉強した内容をまとめます(EGPAに関してのまとめはこちらをご参照ください)。以下はこちらの文献( RadioGraphics 2021; 41:1973–1991 )が非常によくまとまっていたのでそちらを参照に […]

パーキンソン病 内服できない場合の対応

予備知識 内服できない場合の合併症①運動機能悪化に伴う誤嚥や転倒、褥瘡(圧挫)など②悪性症候群のリスク 周術期の管理に関して こちらのまとめをご参照ください。 そのまま中止して問題ない薬剤 MAOB阻害薬,COMT阻害薬,アマンタジン*アマンタジンは稀に離脱としてジストニアをきたす場合があり注意 投与してはいけない薬剤 ・制吐剤:メトクロプラミド→対応ドンペリドンにする・抗精神病薬:出来るだけ使用 […]

HSV-2 髄膜炎

HSV-2はウイルス性髄膜炎の3大原因の1つ(Enteroウイルス,帯状疱疹ウイルス,HSV-2)で日常臨床でもしばしば遭遇します(髄液Filmarray®にも含まれています)。HSV-1は脳炎,HSV-2は髄膜炎を中枢神経病変として呈することが多いです。HSV-2初感染や再燃時に髄膜炎を呈することがあり,臨床像をまとめます。 臨床像 “Herpes Simplex Virus 2 M […]

「医學事始」LINE公式アカウントを作成しました!

いつもホームページ・ブログをご覧になっていただき大変ありがとうございます。今回、教育活動を広げるためにホームページ「医學事始」のLINE公式アカウントを作成しました🌟 ブログ更新、論文紹介、過去記事の解説など医学情報を定期的に発信させていただきます! こちらのアカウントは管理人からの情報配信が主体になります(質問などを受け付ける形ではなく申し訳ないございません)。 もしよければ以下のアイコンをクリ […]

副鼻腔炎と神経合併症

以下の内容は”Neurological Complications of Acute and Chronic Sinusitis. Curr Neurol Neurosci Rep. 2018 Feb 5;18(2):5.”PMID: 29404826.を参照させていただきました。頭部CTを撮影すると副鼻腔炎は偶発的によく認めますが、念のため骨条件で骨破壊などの所見がないか […]

East Asian Paradox

東アジア人は白人と比較して血栓症が少なく、出血合併症が多い傾向があり、2012年Jeongがこの現象を”East Asian Paradox”と表現しています。背景には凝固因子(遺伝性のFactor Ⅴ Leidenなど),食事,肥満,炎症など様々な因子の関与が想定されます。我々臨床医が抗血栓薬に関する大規模臨床試験を読む際は「臨床研究の患者背景がアジア人かどうか?」という […]

呼吸不全と姿勢

呼吸不全の患者さんでは「どのような姿勢をしているか?(=楽になるか?)」が原因疾患を探る上で身体所見上とても重要です。いくつかまとめようと思います。病態としては静脈還流量,呼吸筋,V/Q mismatchと姿勢の対応関係により生じるものです。 orthopnea(起坐呼吸) 呈する原因:心不全,COPD,神経筋疾患による呼吸不全 前かがみの場合:COPD・病態:呼吸補助筋が垂直になることで動員しや […]

ねころんで読める 救急患者の”痛み”のみかた 著:坂本壮先生

本書は著者でいらっしゃる坂本壮先生に献本頂き大変ありがとうございます!早速拝読させていただき特に「臨床像の思い込みから誤診してしまうことを避ける」というER診療上の重要なメッセージが伝わってきました。大動脈解離なら血圧高値なのではないの?walk-inくも膜下出血はないのではないの?肺塞栓症は急に胸が苦しくなるのではないの?胆嚢炎は発熱があるのじゃないの?などと臨床像上勘違いしがちな重要なポイント […]

乳酸 Lactic acid/Lactate

・lactate:乳酸イオン *血液ガスで測定している値・lactic acid:乳酸 正常値:0.5~1.5 mmol/L (通常 2 mmol/L未満)*換算(mmol/Lとmg/dL):mmol/L=0.11 x mg/dL 0.44-1.78mmol/L(4-16mg/dL) →だいたい8~9倍すれば良い(血液ガス測定の機械によって単位表記が異なる) 産生と代謝 産生 機序:嫌気性解糖=ピ […]

メイロン®を投与するべきなのか?

「メイロン®(NaHCO3)を投与するべきなのか?」はずっと議論があります。ここでは臨床試験ではなく生理学的議論に関してまとめていきます。 電離定数からの議論:The ICU book(Marino)の記載 The ICU bookの記載をざっくりまとめると「そもそも重炭酸の電離定数pK=6.1だから、pH=6.1前後で最も有効な緩衝剤になる。すると通常acidemiaの例えばpH=7.2の状況で […]