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髄液ADA

まとめ

髄液ADA:T細胞の活性化を反映しているマーカー⇒結核性髄膜炎に特異的ではない
*結核性髄膜炎に関してはこちらもご参照ください

髄液検査一般のまとめはこちらをご参照ください。

原因疾患
GFAP-A:特に重要(こちら) 結核性髄膜炎に類似した髄液所見を呈する
悪性リンパ腫
神経サルコイドーシス
・真菌性髄膜炎

髄液ADAについて検討した文献

A spectrum of neurological diseases with elevated cerebrospinal fluid adenosine deaminase levels. J Neurol Sci. 2025 Feb 15;469:123368.

結核性髄膜炎が疑われて髄液ADAを測定した276例の後ろ向き検討(千葉大学病院からの報告)
・患者背景:平均年齢53.5±18.2歳、男性149名(54.0%)、女性127名(46.0%) 
・コントロールは非炎症性疾患(頭痛、てんかんなど)40名:平均ADA 1.92 IU/L
・ADA上昇:≧2.2 IU/Lと定義
・結果上昇:①結核性髄膜炎 n=15、②真菌性髄膜炎 n=7、③GFAP-A n=7、④神経サルコイドーシス n=7、⑤リンパ増殖性疾患(悪性リンパ腫の中枢神経浸潤など)n=18
髄液ADA上昇は結核性髄膜炎に特異的ではない
・①、③は全例ADA≧2.2 IU/L
・細菌性髄膜炎、ウイルス感染、MSは対照群と比較して有意な上昇なし

“10-Year Retrospective Review of the Etiologies for Meningitis With Elevated Adenosine Deaminase in Cerebrospinal Fluid: Etiologies Other Than TB” Front. Cell. Infect. Microbiol. 12:858724. doi: 10.3389/fcimb.2022.858724

髄液ADA≧10 IU/Lの患者137例の後ろ向きコホート研究(韓国での10年間)
・原因疾患:①血液腫瘍 26.2%(ほとんどが悪性リンパ腫), ②結核性髄膜炎 19.0%, ③ウイルス性髄膜炎 18.2%(日本脳炎, VZV) *非ウイルス性感染性髄膜炎(細菌・真菌など) 16.1%、原因不明 13.9%
⇒まとめ:髄液ADA高値は結核性髄膜炎に特異的ではなく、血液腫瘍を鑑別として考慮すべき
・ADA値:結核性髄膜炎と血液腫瘍⇒有意差なし、結核性髄膜炎>ウイルス性髄膜炎(有意差なし)
・本研究ではGFAP astrocytopathyや神経サルコイドーシスなどの検討はされていない(特に自己免疫疾患に関する検討が不十分である)
・カットオフ値が先述の千葉大学の報告よりも高い(かつよく結核性髄膜炎のカットオフ値として用いられる) 10 IU/Lになっている点に注意。