MVNT: multinodular and vacuolating neuronal tumor

先日この疾患の名前を読影レポートで読み「???」だったため調べました。

MVNTは2013年にはじめて疾患概念が提唱された疾患概念で、成人の大脳半球皮質髄質境界部分に発生する異型神経細胞(腫瘍か形成異常かは結論が出ていない)による多発結節状病変です(Brain Pathol 2013;23:515)。2016年のWHOの分類ではganglion cell tumorに分類されていますが、腫瘍か形成異常かはまだ不明です。対応する遺伝子変異はまだ特定されていません。臨床的にはてんかんを合併する場合もありますが、非特異的で無症候性のこともあります。

病変は皮質、皮質直下、白質にかけて(皮質を含むことも多い)、FLAIR/T2WIで高信号(T1WIで等信号~低信号)、形態は結節状病変(1-5mm)が集族するnodular dotted patternを呈し、造影効果は通常なく、拡散制限はなく、T2*WI SWIでbloomingは認めず、mass effectや周囲の浮腫はないことが特徴とされています(下図のシェーマもご参照ください)。

DWIで高信号となることも多いようです(ADC mapは通常低下しません)。本疾患を知らないと診断は困難で、まずは知ることが重要なのかと思いました。画像上だけからもフォローアップで診断が可能とする論文もあります。

画像上の鑑別としては以下が挙げられます。
・dysembryoplastic neuroepithelial tumor (DNET)
・Virchow robin腔の拡大(VRPS):FLAIRで信号が抑制されるか?されないか?が鑑別点になります。

以下にMVNTに関してまとめられた論文を紹介します。

■MVNT33例のまとめ AJNR 2017;38:1899

画像上の特徴は下図を参照ください。33例中4例は生検で確認されていますが、それ以外の症例は生検されておらず、中央値3年(最低24ヶ月)フォローアップされており画像上の変化は経過で認めていませんでした。このような良性で進行性ではない経過から、この論文ではMVNTは画像のみで十分診断可能であり、フォローアップをすれば生検は必要ない”leave me alone” lesionと考えています。

■MVNT24例のフォローアップまとめ Neuroradiology (2017) 59:873 – 883

24例(女性16例、男性8例)、24-59歳(45歳)、神経診察での異常所見なし。画像:前頭葉50%、頭頂葉23%、後頭葉10%、側頭葉6%に分布、画像上の特徴は造影効果13%、DWI行進号なし、T2*WI bloomingなし、mass effectなし、53%で病変の癒合を認める、画像フォローアップ13.7ヶ月(2~93ヶ月)で画像上変化を経時的に認めたものは1例のみで、それ以外は全例画像上フォローアップで変化なし

■MVNT16例のまとめ Journal of Neuroradiology 47(2020)216–220

年齢42歳(16-77歳)、女性11人、男性5人、病変はすべて大脳に位置しており、その他の画像上の特徴は既に記載した通りとなっています。

以上MVNTに関してまとめました。フォローアップは必要ですが、良性の経過であり必ずしも脳生検は必要なく、画像診断で十分なのではないか?という論旨の文献が多かったです。

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