救急外来での意識障害の原因について
“Altered Mental Status: Evaluation and Etiology in the ED” Am J Emerg Med 2002;20:613-617.
・大学病院の救急部門を受診したaltered mental status(AMS)患者317名を対象
・AMSは「昏睡」だけでなく、認知障害、注意力の低下、意識レベルの変化などを含む広範な状態を指し、ED患者全体の5%(317例)を占める(既報は4-10%)
*既報は「昏睡のみ」に焦点を当てていたが、この文献では昏睡以外の幅広い意識障害を含んだ解析をしているが新規性
意識障害の内訳:無反応 24%, 嗜眠覚醒困難 46%, 興奮 12%, 奇妙な行動 18%
原因内訳
・中枢神経系(28%): 脳卒中、てんかん発作/postictal state、中枢神経腫瘍など
・中毒性(21%): エタノール(アルコール)や薬物中毒が主な原因
・外傷(14%): 頭部外傷や多発外傷など
・精神疾患(14%):
・その他: 感染症(10%)、内分泌・代謝異常(5%)など
どの診断ツールが最も有用か?:病歴聴取と身体診察
・内訳:現病歴 51%、既往歴 43%, 身体診察 41%
・検査:放射線画像 16%, 尿検査 11%, 心電図 7%, 生化学 5%, CBC 1%, 凝固 0%
・診断に寄与したという言葉はどういう意味で本文献で用いられているか?
⇒「その検査や問診が、直接的に犯人(原因疾患)を指し示した割合」 具体的には3名の救急医が、対象となった患者のカルテ(医療記録)を後方視的(retrospective)にレビューし、それぞれの検査や評価項目が最終的な診断にどれだけ役立ったかを判定(3段階に分類 diagnostic 診断的である、abnormal although not diagnostic 異常所見であるが診断的ではない、normal and not diagnostic)
⇒「現病歴が51%で診断に寄与」というのは、全症例の51%において、現病歴の情報が「1. 診断的である(Diagnostic)」と判定されたという意味
⇒除外診断が含まれていないことに解釈上注意する必要がある