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BPPV 眼振の原理

  • 2025年8月25日
  • 2025年11月28日
  • 神経

眼振の総論に関してはこちらをご参照ください。

解剖と原理

基本の図(右三半規管を頭側から眺めた図)*実際には前半規管と後半規管は折りたたまれている

右三半規管を頭側から眺めた図(外側半規管に着目)

右三半規管を外側から眺めた図(後半規管に着目)

三半規管の構造は?
・前半規管、後半規管、外側半規管の3つを有する
・すべての三半規管は一方が膨大部,もう一方は非膨大部を有する(盲端にはなっていない)
・それぞれ卵形嚢と交通している
・膨大部にクプラが位置する
・前半規管と後半規管は非膨大部が共通脚である

耳石(図:緑色)はどこにあるか?
卵形嚢に位置する
・卵形嚢から落ちた耳石は三半規管の非膨大部側から入る

眼振はどのように生じるか?
・内リンパの流れにより膨大部のクプラが偏倚すると有毛細胞(前庭神経)が刺激される
・眼振は半規管と並行した平面で生じる(半規管の面に”垂直な軸”で回転する眼振を生じる)
*この垂直の軸を意識することで眼振の方向を理解しやすくなる

・外側半規管の場合:向膨大部性の内リンパ液の流れが「興奮性」(図:赤色)
・前・後半規管の場合:向膨大部性の内リンパ液の流れが「抑制性」(図:青色)
*膨大部(クプラ)に「向かう」内リンパ液の流れ=向膨大部性(ampullopetal)
*反対への流れ=反膨大部性(ampullofugal)

・興奮性の内リンパ液の流れ=「同側」に向かう眼振を生じる
・抑制性の内リンパ液の流れ=「対側」に向かう眼振を生じる

病型ごとの眼振(いずれも”右”の三半規管)

外側半規管型BPPV(半規管結石症)

・Supine head roll testで右90度頭位変換
・卵形嚢から耳石が落ち内リンパ液の流れが生じ、膨大部を偏倚させることで興奮性の刺激を伝える
・右向き(向地性眼振)を生じる

外側半規管型BPPV(クプラ結石症)

・クプラに耳石が付着している状態
・Supine head roll testで頭位回旋すると耳石が付着して重くなったクプラが重力方向へ偏移する
・内リンパ液の流れは半規管結石症とは逆向きであり抑制性に作用
・左向き(背地性)眼振を生じる

外側半規管型BPPV(light cupula)

・クプラに耳石が付着している状態だが、比重が軽い
・Supine head roll testで頭位回旋すると軽いクプラは重力と反対方向へ偏移する
・内リンパ液の流れはクプラ結石症(heavy cupula)とは逆向きであり興奮性に作用
・右向き(向地性)眼振を生じる

後半規管型BPPV(半規管結石症)