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貧血のない低フェリチン血症

若年女性の原因不明の疲労感では私は必ずフェリチンを測定しています(たとえ貧血がなくとも)。低フェリチン血症の場合鉄剤を補充すると、疲労感だけではなくその他の不定愁訴のようなものも改善するケースをしばしば経験します。ただプラセボ効果の可能性も十分あり(特にこうした疲労感などはプラセボ効果を生じやすい)文献を調べてまとめます。

臨床研究

Iron supplementation for unexplained fatigue in non-anaemic women: double blind randomised placebo controlled trial. BMJ. 2003;326(7399):1124-1126.

・背景:鉄欠乏性貧血における鉄剤投与は確立しているが,貧血のない鉄欠乏に対して鉄剤投与により疲労が改善するか?は不明
・原因不明の疲労がある18-55歳の女性(貧血なし)に対して鉄剤(経口 硫酸鉄80mg/日) vs プラセボ投与により4週間後の治療効果を検討したdouble-blinded placebo trial
・フェリチン≦50ng/mLにおいて疲労を有意に改善する結果

“Intravenous iron for the treatment of fatigue in nonanemic, premenopausal women with low serum ferritin concentration” Blood. 2011;118(12): 3222-3227

・貧血のない低フェリチン血症(フェリチン≦50ng/mL, Hb≧12g/dL)の閉経前女性90例を鉄補充(点滴静注)とプラセボで比較して前向きランダム化比較研究
・疲労を点数化して評価(ベースライン、6週間後、12週間後)*ベースラインは4.5/10点
・フェリチン≦15ng/mLの場合:鉄投与-1.8 vs プラセボ-0.4 P=0.005, 有意差あり,疲労の改善を訴える% 82% vs 47% P=0.03
・有害事象:鉄投与 21% vs プラセボ 7%