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拙著「レジデントのための神経診療」

いつもブログ・ホームページをご覧になっていただき大変ありがとうございます。2023年8月28日に管理人が執筆させていただきた、「レジデントのための神経診療」が医学書院より発売となりその宣伝となります。 本書は神経内科非専門の初期研修、総合内科、救急科などの先生方向けの入門的な内容で、病歴+神経所見の取り方”history and physical”、病巣を推定するために武器 […]

広告:研修医になったらまずコレ!『内科レジデントの鉄則 第4版』

以下医学書院さんからのご案内広告です。 研修医・指導医におすすめの鉄則本がついに第4版に改訂されました。「備えた知識を最大限に活かし、緊急性・重要性を判断した上で、適切な対応ができるか」が主眼したクリニカルパール満載の書籍となっており、研修が始まったらまずは手に取りたい1冊です。 対象は研修医だが指導医にも 医学書院ウェブサイトに掲載されている野木真将先生がこうレビューされています。“症例の振り返 […]

髄液蛋白 CSF protein

髄液蛋白の基礎 ・蛋白とは?:アルブミン+免疫グロブリン ・髄液蛋白=①血液からの移行分(blood-CSF barrierを超えるもの)+②中枢神経産生分 髄液蛋白上昇の原因  1: “blood-CSF barrier”破綻(例:髄膜炎, ギラン・バレー症候群など) ・一般的に血液:髄液=200~400:1で蛋白は移行するとされています ・ここの”blood-CSF-barrier […]

脳症 encephalopathy

脳症(encephalopathy)という言葉はなかなかつかみどころがないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私(管理人)は脳症の意識障害診療上の位置づけを理解しているか?が意識障害診療の習熟度を如実に反映していると思います。今回は経験上の私見が多い記事ですが日常臨床の参考になりましたら幸いです。 脳症(encephalopathy)とは? 脳症(encephalopathy)①中枢神 […]

眼振 nystagmus

・まず最初に厳しい結論を申し上げると「眼振を理解しないかぎりめまい診療は絶対にできない」ということです。・めまい診療において症状の自覚症状は客観性に欠けあてにならないことが指摘されており(Mayo Clin Proc. 2007;82:1329- 1340.)、近年最も使用されている”Standing algorithm”も客観的な指標としての眼振をベースに議論をすすめるよ […]

不思議の国のアリス症候群 Alice in Wonderland syndrome

患者さんからの訴えでしばしば遭遇するのが「不思議の国のアリス症候群」です(実際に経験されたことがある先生もいらっしゃるかもしれません)。1955年にイギリスの精神科医John Toddがこの名称が提唱されました。確固たる基準がある症候群ではないので(病態も解明されておらず、独立して扱って良い症候群なのかどうかもわかっていない)、あいまいなところも多いですがまとめます。 臨床像 ポイント:知覚のゆが […]

低血糖脳症 hypoglycemic encephalopathy

脳症(encephalopathy)の総論に関してはこちらに解説がありますのでご参照ください。低血糖脳症に関して調べた内容をupしていきます(これから追加していきます)。最後に管理人の一言を記載しています。 画像所見 ・低血糖脳症に特異的な所見はなし ①白質②灰白質:皮質,基底核 *視床・脳幹・小脳は障害されない傾向 *参考:DWI皮質高信号の鑑別(鑑別は比較的限定的なので重要)・脳血管障害:塞栓 […]

手指屈筋反射 finger flexion reflex

手指屈筋反射はなんとも文献により記載方法がばらばらで困ります。そもそもreflex, phenomenon, signという表現も文献により混在しています・・・(これは英文でも和文でもです)。このためNeurologistからツッコミが沢山くる可能性があります。通常の腱反射に関してはこちらをご参照ください。 手指屈筋反射の基本 ・手指屈筋群に認める筋伸長反射(手指屈筋群が引き延ばされることにより手 […]

脳梗塞と急性症候性発作

脳血管障害後に生じる発作(seizure)は発症7日を境に、7日以内を急性症候性発作(early seizureとも表現する)、7日以降を非誘発性発作(late seizureとも表現する)と分類します。脳血管障害とてんかんに関してはこちらのまとめをご参照ください。今回紹介するこちらの論文では脳血管障害後の急性症候性発作(acute symptomatic seizure)を重積例と非重積例に分け […]