腎腫瘤へのアプローチ
画像検査で偶発的に認めた腎病変に関してのアプローチをまとめます。自施設の腎臓内科専攻医K先生がとてもよくまとめてくださり、ご許可いただきこちらにも掲載させていただきます(大変ありがとうございます)。 Bosniak分類 ・嚢胞性腎腫瘤の悪性腫瘍リスクを解剖学的な画像所見を元に層別化したもの*最初は1986年に発表され2019年updateされている Bosniak MA. The current […]
画像検査で偶発的に認めた腎病変に関してのアプローチをまとめます。自施設の腎臓内科専攻医K先生がとてもよくまとめてくださり、ご許可いただきこちらにも掲載させていただきます(大変ありがとうございます)。 Bosniak分類 ・嚢胞性腎腫瘤の悪性腫瘍リスクを解剖学的な画像所見を元に層別化したもの*最初は1986年に発表され2019年updateされている Bosniak MA. The current […]
原因 ・腎臓:慢性腎臓病、透析(とても多い)・肝臓:原発性胆汁性胆管炎(掻痒感が主訴になることあり)、肝硬変、慢性肝炎・内分泌:甲状腺機能異常、糖尿病など・血液疾患:真性多血症、鉄欠乏性貧血、悪性リンパ腫、ヘモクロマトーシス、白血病・神経:多発性硬化症など・その他:老人性乾皮症(最多) 対応 保湿剤 ・最初に必ず行うべきはスキンケア+保湿で基本中の基本 *保湿剤まとめ 一般名 ワセリン ヘパリン類 […]
部位:生理的狭窄部位 ・腎盂尿管移行部:背部痛(最も多い)・腸骨動脈交差部・尿管膀胱移行部:下腹部痛鼠径靭帯:腹部~腰背部にかけての疼痛 *尿管結石:シュウ酸カルシウム結石が最多、リン酸カルシウム、尿酸、シスチン 臨床像 ・突然発症・正常:間欠または持続性*炎症が病態なので持続性になることもある→間欠痛でないからといって除外することはできない・嘔吐:認めること多い 50%(尿管からの迷走神経刺激に […]
病態についてはこちらを参照ください。AKIについてはこちらをご参照ください。 定義 3か月以上持続する①または②①腎障害の存在が明らか(尿異常、画像診断、血液、病理)②GFR<60 mL/min/1.73m2 *シスタチンC:eGFR=(cr + cys)/2 軽度腎障害をみたらシスタチンCでも評価することが重要*eGFR注意点①体表面積補正の値,②18歳以上の成人が適応,③Cr値が安定した […]
・lactate:乳酸イオン *血液ガスで測定している値・lactic acid:乳酸 正常値:0.5~1.5 mmol/L (通常 2 mmol/L未満)*換算(mmol/Lとmg/dL):mmol/L=0.11 x mg/dL 0.44-1.78mmol/L(4-16mg/dL) →だいたい8~9倍すれば良い(血液ガス測定の機械によって単位表記が異なる) 産生と代謝 産生 機序:嫌気性解糖=ピ […]
「メイロン®(NaHCO3)を投与するべきなのか?」はずっと議論があります。ここでは臨床試験ではなく生理学的議論に関してまとめていきます。 電離定数からの議論:The ICU book(Marino)の記載 The ICU bookの記載をざっくりまとめると「そもそも重炭酸の電離定数pK=6.1だから、pH=6.1前後で最も有効な緩衝剤になる。すると通常acidemiaの例えばpH=7.2の状況で […]
ER当直をしているとよく遭遇するのが「尿閉」です。身体所見では臍より下の部分がポコッと盛り上がっており一目瞭然ですが(下図自験例)、患者さんは尿閉ではなく「腹痛」として受診する場合もあるため注意が必要です。 原因 ・男性の場合:前立腺肥大症が最多、前立腺炎も尿道圧迫による尿閉を来しえます(自験例もあります)・物理的な尿道閉塞:血塊による膀胱タンポナーデ、結石・薬剤性:抗コリン薬(特に市販の感冒薬に […]
研修医の先生から「なんでこの患者さん採血検査でCK上昇しているのでしょうか?」と質問があり、マクロCK血症と思われる症例を経験し勉強した内容を簡単にまとめさせていただきます。 1:CKに関して CK(creatine kinase)はM型とB型の2種類から作られます(下図)。CK-MM:骨格筋、CK-MB:心筋(心筋全体の25%未満)という関係にあります(BBは臨床上問題になることは少ないため省略 […]
ポイント1:病態生理による浮腫の分類2:浮腫の解剖分布3:pitting edema (fast edema/ slow edema), non-pitting edemaに分類 病態 浮腫に関与する病態”Starlingの法則”1:血管透過性亢進(炎症・アレルギー)2:毛細血管圧亢進(体液量増加:心不全・腎不全)3:膠質浸透圧(アルブミンの喪失:肝硬変・ネフローゼ症候群など)4:リンパ管排出(リ […]
Fabry病はαガラクトシダーゼA(α-Gal A)の酵素活性低下・欠損によるグロボトリアオシルセラミド(GL-3)のライソゾームへの進行性の蓄積が病態で、全身の細胞にこれらが蓄積することで臓器障害を引きおこいます。αガラクトシダーゼ遺伝子(GLA)はX染色体上に存在するため、X連鎖性劣性遺伝形式をとります(ヘミ接合体)。しかし、実際には女性でも症候性の場合もあります(症候性ヘテロ接合体)。 以下 […]