症候性椎骨動脈狭窄へのアプローチ
椎骨動脈狭窄由来の後方循環系脳梗塞に対して再発予防をどうするか?というテーマです。内頚動脈狭窄に比して研究も圧倒的に少なく、エビデンスにも乏しい分野です。 まとめ 1:内科管理が基本・血管内治療が内科管理よりも再発抑制効果を示したエビデンスは乏しい(内頚動脈狭窄と異なり) 2:外科的介入(血管内治療PTA/ステント、外科的バイパス術)を考慮する状況・狭窄部位がembolic sourceとなってお […]
椎骨動脈狭窄由来の後方循環系脳梗塞に対して再発予防をどうするか?というテーマです。内頚動脈狭窄に比して研究も圧倒的に少なく、エビデンスにも乏しい分野です。 まとめ 1:内科管理が基本・血管内治療が内科管理よりも再発抑制効果を示したエビデンスは乏しい(内頚動脈狭窄と異なり) 2:外科的介入(血管内治療PTA/ステント、外科的バイパス術)を考慮する状況・狭窄部位がembolic sourceとなってお […]
脳血管の解剖変異,破格を把握するためには発生学の知識が重要だということは分かっているのですが・・・あまり勉強してきませんでした・・・。小宮山雅樹先生の文献(Jpn J Neurosurg(Tokyo) 2004;13:116-125.)が勉強になりすぎて(すごすぎる)、ほとんどそれをまとめた内容になります。 内頚動脈の原器:primitive ICA 1:primitive ICAは①crania […]
先日両側PICA領域の小脳梗塞で、片側のPICAが両側小脳を還流している血管解剖の症例がありました。bihemispheric PICAと呼ばれ調べた内容を簡単にまとめます(血管造影検査を日常的にされている先生方にとっては当たり前の内容かもしれません)。以下でてくる図表やフローチャートは後輩のKM先生が作成されたものをご厚意で拝借させていただきました(ありがとうございます!)。 解剖 ・椎骨動脈か […]
脳梗塞のDAPT領域でまた重要な論文が出ました。脳梗塞とDAPTに関してはこちらにまとめがありますのでご参照ください。 “ATAMIS” trial JAMA Neurol. 2024 Mar 11. doi: 10.1001/jamaneurol.2024.0146. PMID: 38466274. 背景:非心原性脳梗塞において高リスクTIAまた軽症脳梗塞例においてDAP […]
脳血管障害後に生じる発作(seizure)は発症7日を境に、7日以内を急性症候性発作(early seizureとも表現する)、7日以降を非誘発性発作(late seizureとも表現する)と分類します。脳血管障害とてんかんに関してはこちらのまとめをご参照ください。今回紹介するこちらの論文では脳血管障害後の急性症候性発作(acute symptomatic seizure)を重積例と非重積例に分け […]
先日椎骨動脈閉塞からの脊髄梗塞の症例を経験しました。左椎骨動脈閉塞があり、左小脳梗塞+椎体高位C3からの脊髄灰白質に両側性T2強調像高信号病変を呈している症例でした。脊髄梗塞の全体像に関してはこちらにまとめているためご参照ください。 背景知識 ・脊髄梗塞の最も好発部位は胸髄領域・脊髄梗塞の原因の4-10%は椎骨動脈解離と報告されている(最も多い原因は大動脈手術)・脊髄の血管支配:①中心部(灰白質) […]
前提知識 「非心臓+非中枢神経」外科手術の周術期脳卒中発症リスク 0.1-1.0%と報告・脳卒中の内訳はほとんどが虚血性(出血性<5%)・想定される機序:灌流低下(背景に大血管狭窄がある),貧血による組織低酸素、塞栓、脂肪塞栓、炎症による凝固能亢進、血管内皮障害、抗血栓薬中止など*基礎:発症3か月以内は脳のautoregulationが障害されている Stroke.2010;41(11):2 […]
心原性脳梗塞を契機に心房細動がみつかるケースはしばしばあります。この際に循環器内科に外来でアブレーションを検討してもらうかどうか?の基準に関して脳卒中を診療する医師はある程度知識があった方が良いかもしれません(私は勘違いがありました)。先日循環器カンファレンスで心房細動に関してレクチャーで教えていただき、日循のガイドラインを私も読んで勉強させていただいた内容を簡単にまとめます。循環器の先生方で適宜 […]
新しい研究が発表されました。 “Association of Alternative Anticoagulation Strategies and Outcomes in Patients With Ischemic Stroke While Taking a Direct Oral Anticoagulant” Neurology ® 2023;101:e358-e369 […]
脳梗塞診療で心原性塞栓症というとそのほとんどが心房細動によるものですが,時折問題になるのが左室機能不全に伴う左室内血栓です。以下の内容は全てCirculation. 2022;146:e205–e223.を参考に記載させていただきました。 形成因子:①左室機能不全,②心内膜障害,③炎症または過凝固状態 ・左心室血栓形成リスクは「虚血性心筋症>DCM」 STEMI 4~39%, DCM 2~36%・ […]