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末梢神経障害

胸郭出口症候群 TOS: thoracic outlet syndrome

胸郭出口症候群に関して悩む症例が外来でありました。胸郭出口症候群という疾患名自体は有名ですが、概念が非常に幅広いです。この点に関しては日本では園生先生が第一人者で多くの著作があり、調べるとほぼ全て園生先生の記載にたどり着くため正直ただ書き写してまとめているだけになってしまう感じもあります・・・。詳細は特に園生先生の記載(「脊椎脊髄・神経筋の神経症候学の基本―日常診療での誤診を防ぐ初めの一歩」p.2 […]

悪性リンパ腫と末梢神経障害

・稀ではあるが重要 悪性リンパ腫の診断に先行する場合がある・悪性リンパ腫治療中に出現してくる場合もある・NHL(非ホジキンリンパ腫)のB細胞(約90%)が圧倒的に多い high gradeの場合は神経障害6.5-17.5%, B細胞性約90%・HL(ホジキンリンパ腫)はNHLと比して稀・背景の免疫異常による障害が多い GBS/CIDPの報告もあり Hu抗体の報告あり HLの早期の段階でparane […]

傍腫瘍神経症候群 PNS: paraneoplastic neurological syndrome 末梢神経障害

・傍腫瘍神経症候群(PNS: paraneoplastic neurologic syndrome)は臨床像が多岐にわたるため、ここでは末梢神経障害に絞って調べた内容をまとめたいと思います。・Sensory neuronopathyが最も多く、CIDP,GBS、腕神経叢障害、血管炎性ニューロパチー、その他(自律神経障害 AAG, chronic gastrointestinal pseudo-ob […]

化学療法に伴う神経合併症

Neurologyのコンサルタントとして重要な知識です。中枢神経合併症に関してはまた後日まとめさせていただきます。 末梢神経障害:Chemotherapy-induced peripheral neuropathy (CIPN) 頻度:30-70%(人によって程度は様々である) *化学療法に伴う神経合併症として最も多い検討するポイント:化学療法の種類・投与方法・積算投与量・治療期間・出現する時期・ […]

アルコール性末梢神経障害 alcoholic neuropathy

病態・臨床像 問題点/疑問点:アルコール関連は常にビタミンB1欠乏を合併する場合がありうるため「ビタミンB1欠乏によるニューロパチーとは別の病態なのか?同じ病態なのか?」が問題となります。 ■末梢神経病理によるアルコール性ニューロパチーとビタミンB1欠乏性ニューロパチーの違い検討(超重要文献) Ann Neurol 2003;54:19–29 1:アルコール性ニューロパチー(ビタミンB1欠乏なし) […]

末梢神経障害の原因いろいろ

末梢神経障害を起こす原因をまとめます。過去にまとめた記事も多いのでそれはリンクとして掲載されていただきます。末梢神経障害一般に関してはこちらもご参照ください。 自己免疫機序 GBS こちらをご参照ください CIDP こちらをご参照ください MMN こちらをご参照ください 血管炎性ニューロパチー こちらをご参照ください シェーグレン症候群 こちらをご参照ください 遺伝性 CMT Charcot-Ma […]

糖尿病性末梢神経障害 diabetic neuropathy

学生の時に勉強する糖尿病による細小血管合併症は「し(神経)・め(眼)・じ(腎臓)」が有名で、その中の神経障害を扱います。さまざまな病型があるため紹介させていただきますが、最も多いのはもちろん多発ニューロパチー(polyneuropathy)です。血糖コントロールが良くても2型糖尿病では多発ニューロパチーを併発しうるという点が重要です。私はNCSなど含めてきちんと精査・除外を行った上で「糖尿病性神経 […]

末梢神経障害 neuropathy

解剖学的分布による分類 ■単神経障害:絞扼性(手根管症候群・肘部管症候群・撓骨神経麻痺)・多発単神経障害の初期■多発単神経障害:血管炎■多発神経障害(ポリニューロパチー):代謝障害(糖尿病・ビタミン欠乏など)、脱髄など様々 ・単神経障害の場合はcommon compression siteとして説明可能か?という点が重要です。例えば急性経過の下垂足で受診した患者さんが圧迫の病歴がなくても「きっと圧 […]

急性間欠性ポルフィリン症 AIP: acute intermittent porphyria

人生で一度は診断をしたいなと思っていますが残念ながら私はいまだ診断できたことがない疾患です。この疾患の臨床像を初めて知ったのはドラマDr.House(シーズン1:第22話)で間欠的な腹痛、末梢神経障害、人格変化があり最初全く病気が想起できませんでしたが、答えはまさかの急性間欠性ポルフィリン症で非常に印象に残りました。腹痛で消化器内科の先生が診察する可能性や、末梢神経障害で私のような神経内科医が診察 […]

EGPA: eosinophilic granulomatosis with polyangitis 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症

EGPAは膠原病科だけでなく神経内科でも診療することが多い疾患で私の外来にもEGPAでフォロー中の方が数人いらっしゃいます。疾患に関してかんたんにまとめます。 病態 ・2012年改訂Chapel Hill分類で小型血管炎のうちANCA関連小型血管炎に分類され、もともとCSS(Churg-Strauss syndrome)とされていたものと同一疾患です。難治性喘息として呼吸器内科医が、血管炎として膠 […]