BAD: branch atheromatous disease
病態 TOAST分類には記載がされていませんが(病変が15mm以上で「小血管病」(ラクナ梗塞)に該当しないと「分類不能」になります)、元々1989年にCaplanが提唱した概念(Neurology. 1989 Sep;39(9):1246-50.)でとても重要です。障害される血管はラクナ梗塞と同様に「穿通枝」ですが、穿通枝の入口部に「アテローム性病変(microatheroma)」をつくり閉塞する […]
病態 TOAST分類には記載がされていませんが(病変が15mm以上で「小血管病」(ラクナ梗塞)に該当しないと「分類不能」になります)、元々1989年にCaplanが提唱した概念(Neurology. 1989 Sep;39(9):1246-50.)でとても重要です。障害される血管はラクナ梗塞と同様に「穿通枝」ですが、穿通枝の入口部に「アテローム性病変(microatheroma)」をつくり閉塞する […]
ここでは脳梗塞急性期での「エダラボン」に関してまとめます。 臨床試験 以下の臨床試験が急性期脳梗塞でのエダラボンとプラセボを比較した最初のRCTです。 確かに神経学的予後の有意差は出ているのですが、primary outcomeをmRSに設定していますが来院時のmRSに関して言及がない点が問題とされています。その後のsystematic reviewもありますが、この臨床試験を含んでいるため解釈が […]
脳梗塞の患者さんを受け持っていきなり困るのが「先生この患者さんの安静度どうしましょう?」という点です。ここはエビデンスがあまりない分野だけにいろんなoriginalな解釈がされている領域ですが、まずは臨床試験の結果・ガイドラインの推奨とすすんで最後に個人的なアプローチ方法を提示したいと思います。 臨床試験は? 安静度に関して:”HeadPost” NEJM 2017;376 […]
作用機序 ・PDE3阻害薬で、血小板内のcAMP濃度を上昇させ血小板の活性化を抑制する働きをします。PDE3は血管平滑筋にも存在し、PDE3阻害薬は血管拡張作用をもつことが特徴です。・この血管拡張作用により慢性動脈閉塞症の第1選択、また日本では脳梗塞に対する適応があり、副作用の頭痛もこの血管拡張による機序が推測されています。 副作用 ・シロスタゾールは代表的な副作用として頻脈と頭痛の2つが特に重要 […]
脊髄くも膜下出血は全くも膜下出血のうち1%未満と非常にまれな病態ですが、今まさに悩んでいます。血性髄液で頭蓋内クモ膜下出血がどうしても見つけられない場合(動脈瘤含めて)、鑑別に挙がる病態かと思います。 臨床像・原因 突然発症の背部痛が最も多いです。また通常CSFは流れているため血液を洗い流す”wash out”ため生理的に血腫(凝血塊)が形成されにくく、血液がくも膜下腔を通 […]
慢性硬膜下血腫(CSDH: chronic subdural hematoma)は日常臨床であまりにもcommonかつ臨床像が極めて広いです。私は手術する立場ではないので恐縮ですが、Geriatricsの領域でもとても重要なテーマであり簡単に調べた内容をまとめます。 病態 硬膜は大きく3層に分類され、硬膜下血腫が生じるのはこの一番下3層目の“dural border cell laye […]
慢性硬膜下血腫は日常臨床で非常によく遭遇しますが、同部位に感染をきたす症例は今回初めてです。勉強した内容をまとめます。一般的な慢性硬膜下血腫(CSDH: chronic subdural hematoma)に関してはこちらをご参照ください。 47例をまとめたliterature review(これが最大の報告) World Neurosurg. (2016) 87:663.e1-663.e8. ・ […]
色々なパラメーターがでてきて混乱するかもしれませんが、基本は電気回路の電流(血流)=Δ電圧(Δ還流圧)/血管抵抗を理解していれば理解できると思います。 脳血流の生理学 以下が登場するパラメーターです。電気回路では電流の受け手(=組織:血流の受け手)側のことは一切考慮しませんが、ここでは受け手(組織)の酸素摂取率(OEF)を考慮する必要があります。 CPP: cerebral perfusion p […]
頸動脈の聴診は特に神経内科医にとっては基本的な一般身体所見です。もしかしたら色々な流派があるかもしれないので、あくまで参考にしてください。 ポイント1:基本的に聴診器のベル型を使用する ・血管雑音の聴取で注意しないといけない点は、聴診器を強く押し当てすぎてはいけないということです。聴診器を血管に対して強く押し当てると血管狭窄が存在しなくても乱流や狭窄を生んでしまうことで血管雑音を聴取してしまう場合 […]
タイトルの疑問に関する論文を紹介します。実臨床でよく遭遇する疑問なのでとても重要なテーマです。 “RESTART” Lancet 2019; 393: 2613–23 背景:長期的抗血栓薬投与による血栓塞栓症予防の研究は基本脳出血が既往にある患者を除外している。小規模な研究では脳出血後の患者に抗血栓薬を投与しても出血リスクは増大しないという報告があるが、前向きの大規模臨床試 […]