脳梗塞と関連性のある薬剤
先日glioblastomaに対してbevacizumab投与中の患者さんが脳梗塞になってしまいコンサルテーションとなりました。自分は恥ずかしながら知らなかったのですが、bevacizumabは脳梗塞リスクとして有名な薬剤のようです。薬剤と脳梗塞の関連性に関して調べた内容をまとめました(Stroke. 2021;52:00–00. DOI: 10.1161/STROKEAHA.120.033272 […]
先日glioblastomaに対してbevacizumab投与中の患者さんが脳梗塞になってしまいコンサルテーションとなりました。自分は恥ずかしながら知らなかったのですが、bevacizumabは脳梗塞リスクとして有名な薬剤のようです。薬剤と脳梗塞の関連性に関して調べた内容をまとめました(Stroke. 2021;52:00–00. DOI: 10.1161/STROKEAHA.120.033272 […]
本記事はかつて一緒に働かさせていただいたY先生が作られた資料を多く引用させていただき作成しております。Y先生引用に関してご快諾いただき大変ありがとうございました。 病態 ・軟髄膜の血管にAβが沈着し血管が破綻することで皮質下出血/皮質~皮質下境界領域の出血(特に後頭葉・側頭葉主体)や円蓋部くも膜下出血を呈することが特徴です(CAAではAβ40が、アルツハイマー型認知症ではAβ42の沈着が主体になる […]
超高齢の心房細動患者さんに対して抗凝固薬をつい出血リスクから躊躇してしまうことが多いかもしれませんが、低用量のDOACは効果があるのか?という臨床的な疑問に答える臨床研究が”ELDERCARE-AF”studyです(引用:N Engl J Med 2020;383:1735-45.)。日本で行われた研究ということもポイントです。通常のDOACに関してはこちらにまとめがあるの […]
急性頭痛の鑑別として稀だけれど重要なのがRCVSです。頭痛へのアプローチに関してはこちらにまとめがあるのでご参照ください。 疫学/誘因 ・交感神経活性・血管内皮障害・instabilityなどが原因で多発の血管攣縮をきたす病態です。・幅広い年代で発症しうるが、特に比較的若年の女性に多いことが特徴で、既往歴として片頭痛を約40%に認めます(片頭痛の頭痛と見極めが必要で、そこでは”patt […]
脳梗塞の病型分類はTOAST分類が最も有名で、実臨床ではこのうち分類不能:潜因性脳梗塞(cryptogenic stroke)に該当することが多いことが臨床医にとっては問題でした。そして更に分類するために2014年Lancet Neurology誌で報告された分類概念がESUS(Embolic stroke of undetermined source)です(Lancet Neurol 2014; […]
ACA領域の脳梗塞は急性期病院で勤務していても年に数例程度で稀な病態です。ACA領域の脳梗塞の原因として、「ACA解離」が近年の画像技術の進歩によって証明されるケースが増えてきており、特に日本からの報告が多く(頭蓋内血管解離がAsiaで多い)ここに勉強した内容をまとめます。 1:前大脳動脈(ACA: anterior cerebral artery)の解剖 A1: horizontal segme […]
解剖 Penfieldのホムンクルスは脳の体部位局在を考える上で欠かせない知識になります。体部位局在の面積を体積に置き換えて人形にしたものが下図になります。見ていただくと分かる通り手が非常に大きな体積を占めていることが分かります。そして、このことを反映してどこかの部位単独の脳血管障害では上肢単独が最も多いです。脳血管障害というと半身が障害されるイメージがあるかもしれませんが、「上肢だけが障害される […]
若年性脳血管障害で特に塞栓機序ではなく、小血管病を疑う場合に考慮すべきが遺伝性脳小血管病です。疾患名も遺伝子名も非常に覚えにくくややこしい領域ですが、勉強した内容をまとめます。 CADASIL :cerebral autosomal dominant arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathy 遺伝子:NOTCH3遺 […]
解剖 ・半卵円中心(centrum ovale):側脳室上端より上の部分(側脳室がaxial像で見えていないレベル) *卵を半分に割ったようみみえることが「半卵円」という名前の由来・血管支配:髄質枝(脳表を走行する血管から垂直に脳室方向へ向かう枝)が主体*半卵円中心の一部はACAとMCAの境界還流領域(分水嶺)に該当する(external border zone)*分水嶺領域の梗塞に関してはこちら […]
先日”Long insular artery infarction”がカンファレンスで話題になり、今まで全く調べたことがなかったため調べた内容をまとめます。ついついLSA領域の梗塞と判断してしまいがちな点が落とし穴です。脳血管障害も日常診療でよく遭遇しますが、奥が深いですね。 解剖 島”insula”を支配する血管は中大脳動脈のM2から主に分枝し、& […]