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医学いろいろ

てんかん重積の管理で”burst-suppression”を目指すべきなのか?

てんかん重積の管理でEEG surrogate(つまりEEGでの管理目標)は3択で①electrographic seizure頓挫、②burst suppression達成、③isoelectric curveです。どれを目指すべきか?結論は「現状わからない」です。以下で色々論文の紹介をしますが、どれも釈然としないところです。すっきりとした回答ができずごめんなさい。忙しい方は読まなくて大丈夫です […]

腎腫瘤へのアプローチ

画像検査で偶発的に認めた腎病変に関してのアプローチをまとめます。自施設の腎臓内科専攻医K先生がとてもよくまとめてくださり、ご許可いただきこちらにも掲載させていただきます(大変ありがとうございます)。 Bosniak分類 ・嚢胞性腎腫瘤の悪性腫瘍リスクを解剖学的な画像所見を元に層別化したもの*最初は1986年に発表され2019年updateされている Bosniak MA. The current […]

難病医療費助成制度

指定難病の医療費助成の対象 以下AまたはBが医療費助成の対象A. 重症度を満たす場合(以下条件1+2いずれも満たす場合)B. 軽症かつ高額(以下条件1のみを満たす場合=重症度を満たさない):月ごとの医療費総額が33,330円を超える月が年間3月以上ある場合*ここでの医療費総額とは実際に窓口で支払う額ではなく、10割分です(加入している医療保険が負担する分も含む)。つまり3割負担の方は、33,330 […]

2025年もよろしくお願いします!

昨年も「医學事始」をご覧になっていただき大変ありがとうございました。2024年は色々なところで勉強会の講師やレクチャーをさせていただきましたが、その都度ブログ「医學事始」と本(「レジデントのための神経診療」と「内科診療ことはじめ」の威力に驚きました。「ブログいつも読んで勉強しています!」、「レジデントのための神経診療とっても良くてみんなに宣伝してます!」など、励みになるコメントや応援を沢山いただき […]

てんかん重積の予後

てんかん重積の予後評価に関する文献をまとめます。少し古いですがこちらの文献を中心に(”Prognostic scores in status epilepticus—a critical appraisal” Epilepsia. 2018;59(S2):170–175.)元文献を調べてまとめました。 Scoring 代表的なスコアはSTESS, EMSE, mSTESS, […]

non-consensus TIA

救急病院で勤務していると「高齢者の突然発症のfocal neurological signととれるか微妙でTIAなのか?」という例は多々あります。病歴を徹底的に詰めても、どうしても何とも言えないというケースは多々あります。そこでの実臨床に沿った概念として”non-consensus TIA”というものがあり、論文を紹介します。 文献:”Diagnosis of […]

造影剤CT検査あれこれ 事前の欠食は必要? メトホルミン休薬は必要?

造影CT検査前の欠食に関して ・もちろん胆嚢評価や消化管評価など、純粋に画像評価上事前の欠食が必要な場合はそうします。ただ問題なのは、造影CT前にルーチンでの欠食は必要なのか?というClinical Questionです。・慣習的に欠食としている施設が多いと思いますが、実際のところ意味があるのか?を調べました。・以下にガイドライン、代表的なRCTを載せています。・結論は造影CT検査前に欠食にするこ […]

両側淡蒼球病変 bilateral globus pallidus lesions

鑑別 虚血:低酸素脳症代謝:肝性脳症、メープルシロップ尿症、メチルマロン酸血症、Wilson病中毒:CO中毒(淡蒼球が選択的に障害される代表的原因病態)、Cyanide中毒遺伝性:Neurofibromatosis Type 1、Leigh脳症、Fahr病、NBIA、PKAN、Wilson病 下図は中毒での特徴的な画像所見の一覧で、Radiographics. 2019 Oct;39(6):167 […]

大脳皮質拡散制限病変 Cerebral cortical restricted diffusion

鑑別 血管障害:precentral knob areaの梗塞など(梗塞範囲が広くなると血管支配領域から皮質下白質を含むので皮質に限局することは解剖学的にありえない) てんかん重積後:大脳皮質+視床枕の信号変化が特徴的 CJD:DWI>FLAIR像信号変化、尾状核の信号変化(尾状核>被殻後方)が特徴的 感染:単純ヘルペス脳炎は辺縁系(側頭葉前方~帯状回~島皮質)を主体に左右非対称性に拡散制限病変を […]

「書くことについて」著:スティーブン・キング 訳:田村義進

スティーブン・キングStephen Kingは現代最も有名なホラー小説家で、映画化されている作品も多く、「グリーンマイル」や「シャイニング」など観たことがある方も多いかと思います。 私はホラーは苦手なジャンルなのですが、スティーブンキングの作品は例外的に好きです。おそらくグロテスクな描写が少なく、表現される内容が「場の恐怖」、「静の恐怖」だからかもしれないです。そんなこんなでスティーブンキングの文 […]