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パーキンソン病・症候群

PSP-PAGF pure akinesia with gait freezing

歩行のhesitationやfreezingが前景に立つがパーキンソン病に典型的な振戦や固縮が目立たない臨床病型としてPSP-PAGF(pure akinesia with gait freezing)が知られています。個人的にはかなり特徴的な臨床像と思っており、いままできちんと調べられていなかったので既報を調べたものをまとめます。PSP全般に関してはこちらをご参照ください。 ■PAGFをPSPの […]

進行性核上性麻痺 PSP: progressive supranuclear palsy

病態 ・4R tauの沈着が病態で、そのtau蛋白の沈着分布により臨床像には幅があります(下図参照)。もともとは1964年に指摘され、その後PSP-Pが2005年に指摘(2000年以前の報告は基本的にPSP-RSのものである点は注意が必要である)、PSP-PAGFが2007年に指摘されるようになりました。*4R tau:PSP, CBD, AGD, 3R tau:Pick病・病理学的には淡蒼球内側 […]

多系統萎縮症 MSA: multiple system atrophy

病態 ・孤発的にoligodendrocyteにα-synuclein(αシヌクレイン)が蓄積する病態です。0.6人/100,000/年*参考:α-synucleinoopathy 1:神経細胞に蓄積→レヴィ小体 疾患:パーキンソン病・LBD 2:オリゴデンドロサイトに蓄積→GCI(glial cytoplasmic inclusion:グリア細胞質封入体) 疾患:MSA 病変分布によってパーキン […]

パーキンソン病患者の周術期管理

神経内科医の仕事(コンサルテーションでよくある依頼)としてパーキンソン病患者さんの周術期での薬剤調整があります。以下術前、術中、術後管理に分けて記載させていただきます。 術前の管理 ■術前に中止するべき薬剤:MAOB阻害薬(セレギリン・ラサギリン) ・MAOB阻害薬とオピオイド薬の併用でセロトニン症候群を引き起こす可能性が示唆されています(セロトニン症候群に関してはこちらにまとめがありますのでご参 […]

morning glory sign

“morning glory”は朝顔のことを意味し、”morning glory sign”は進行性核上性麻痺(以下PSP)の患者さんの頭部MRI画像検査の所見として提唱されているものです。私は恥ずかしながら全く知らなかったのですが、先日読影レポートに記載があり勉強させていただきました。 一番最初に報告されたのはおそらくこちら論文(Magn Reso […]

進行性核上性麻痺と表情

少しゆるめの話です。 下の絵画に描かれた人は進行性核上性麻痺ではないかと指摘されています(Lancet neurology “Portrayal of progressive supranuclear palsy in the 16th century”)。進行性核上性麻痺の患者さんの表情がパーキンソン病患者さんの表情と違うことは前から指摘されており、パーキンソン病患者さん […]

幻視 visual hallucinations

1:幻覚と錯覚の違い 幻覚(hallucination)は実在しないものを認知してしまう現象で、どの知覚で認知するかによって「幻視:視覚で認知」(Visual hallucination)、「幻聴:聴覚で認知」(Auditory hallucination)、「幻臭:嗅覚で認知」(Olfactory hallucination)、「幻触:触覚で認知」(Tactile hallucination)と […]

Young-Onset Multiple System Atrophy

多系統萎縮症(MSA: multiple system atrophy)は通常50~60歳代に発症することが多いですが、40歳未満の発症を”young-onset MSA”(YOMSA)と表現します。MSA全体でYOMSAが占める割合は0.9~4.1%,4.5%と報告されています(J Neurol Sci 2012;319:168,Mov Disord 2018;33:19 […]