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良い病歴・悪い病歴 脳梗塞version

研修医の先生方から「何が良い病歴で、何が悪い病歴なのかよくわからない」という質問をよく頂きます。病歴のとり方は現場で逐一直接指導する方法が最も効果的ではありますが、紙面で伝えられる範囲で伝えられればと思います。漠然と説明しても伝わらないと思いますので、ここでは脳梗塞での病歴を例に挙げてまとめさせていただきました。なかなかイメージしづらいかもしれないですが、少しでも参考になりましたら幸いです。 悪い […]

両側視床病変 bilateral thalamic lesions

今回は画像の話です。両側視床に病変を認める場合ケースは往々にして遭遇します。ここでは鑑別疾患をまとめさせていただきます。 通常脳の左右対称の疾患では代謝性・中毒を考慮しますが、視床に関しては血管障害・腫瘍も両側性を呈する場合があるため鑑別が多岐にわたり、画像所見のみから鑑別をすすめるのは難しいです。このため実臨床では臨床情報からの鑑別も非常に重要です。 鑑別まとめ ・腫瘍 glioma(PBTG: […]

「正しさ」について

最近色々なことに対してもやもやとした思いが頭の中を渦巻いているため自分の考えを整理するためにこの記事を書いています。医学と全く関係ないことで申し訳ございません。近年SNSの普及によって誰でも公平に情報に対してアクセスできるようになった反面、問題点として炎上商法、ヘイトスピーチ、新型コロナウイルスに対する誤情報の拡散、不安を煽るメディアなども浮き彫りになってきました。 以下 「ゲンロン戦記」「知の観 […]

PAF: pure autonomic failure 純粋自律神経機能不全

病態 純粋自律神経機能不全(PAF: pure autonomic failure 以下PAFと表記します)は末梢の自律神経にαシヌクレイン蛋白が異常集積し、遠心性節後神経が主として障害さることが特徴の神経変性疾患です(求心性線維は比較的保たれるとされています)。1925年Bradbury and Egglestonによって報告されたことに端を発します。自律神経障害の総論に関してはこちらにまとめが […]

SBMA: spinal and bulbar muscular atrophy 球脊髄性筋萎縮症

病態 ・遺伝形式:XR X染色体上のアンドロゲン受容体遺伝子のCAG repeat異常(38以上、通常は11-36、*47前後が多い(最大62))により変異AR(androgen receptor)が下位運動ニューロン核内に集積していくことが病態です(別名:Kennedy Alter Sung syndrome)。・リピート数は病態を反映し、ポリグルタミン病のためanticipation(表現促進 […]

パーキンソン病 周術期管理

神経内科医の仕事(コンサルテーションでよくある依頼)としてパーキンソン病患者さんの周術期での薬剤調整があります。以下術前、術中、術後管理に分けて記載させていただきます。 項目 解説 生じる合併症 誤嚥性肺炎、尿路感染症、せん妄、低血圧 リスク因子 麻酔方法・薬 鎮静:プロポフォール脳定位手術は避ける 鎮痛:オピオイドは筋強剛悪化の可能性 筋弛緩:非脱分極性(脱分極性は悪性高熱リスク) 周術期管理 […]

morning glory sign

“morning glory”は朝顔のことを意味し、”morning glory sign”は進行性核上性麻痺(以下PSP)の患者さんの頭部MRI画像検査の所見として提唱されているものです。私は恥ずかしながら全く知らなかったのですが、先日読影レポートに記載があり勉強させていただきました。 一番最初に報告されたのはおそらくこちら論文(Magn Reso […]

薬剤性歯肉増殖 Drug-induced gingival overgrowth

歯肉増殖をきたす内科疾患として最も重要なものは急性骨髄性白血病(特にM5)が有名ですが、薬剤性も原因として多いです。 歯肉増殖が副作用としてある薬剤は・カルシウム受容体拮抗薬・免疫抑制剤(シクロスポリン)・抗てんかん薬(フェニトイン)の3つが代表的です。歯科関連の合併症ではありますが、内科医として知っておきたい副作用です。治療は基本的に原因薬剤の中止と歯の衛生状態の改善です。歯科の先生との連携も大 […]

円蓋部くも膜下出血 convexity subarachnoid hemorrhage: cSAH

くも膜下出血で有名なのは動脈瘤が破綻することによる脳底部のくも膜下出血ですが、円蓋部脳表の血管が破綻することにより円蓋部くも膜下出血(cSAH: convexity subarachnoid hemorrhage)をきたす場合があり、これは通常一般的な動脈瘤によらないものです。円蓋部くも膜下出血はその原因がある程度限られており、鑑別疾患を把握しておくと診断を絞りやすくなるためここで解説します。個人 […]

レベチラセタム LEV: levetiracetam

レベチラセタムは近年最も処方されるようになった抗てんかん薬でてんかん診療に慣れていない医師にとっても相互作用や副作用が少ない点から非常に処方しやすい薬剤です。その特徴に関してまとめます。 薬剤の特徴 一般名:レベチラセタム、商品名:イーケプラ® ■作用機序(下図参照)1:N型Ca受容体抑制、細胞内Ca遊離抑制2:シナプス小胞体放出抑制 代謝:腎臓(2/3)、肝臓(1/3)(CYPを介さない) 半減 […]