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重症筋無力症 myasthenia gravis 臨床症状・分類・検査

病態 正常の神経筋接合部では以下の順序で刺激の伝達が行われます。 1.神経活動電位が前シナプスへ到達2.電位依存性Caチャネルが開口、Ca ionが細胞内に流入3.Achを含む小胞がexocytosisによりAChをシナプス間隙へ放出4.AChがシナプス後膜のnAChRへの結合5.nAChRのイオンチャネルが開口、Na+流入、K+流出6.筋終板(筋膜側)で終板電位が発生→刺激が伝わる7.シナプス間 […]

メトトレキサート MTX: methotrexate

作用機序 メトトレキサート(MTX: methotrexate)は葉酸代謝拮抗薬で核酸合成阻害をすることで、免疫細胞を抑制する作用を持ちます。細胞障害薬で細胞選択性はないですが、抗炎症作用(マクロファージからのサイトカイン産生抑制)も呈す点が特徴的です。後者のためマクロファージや好中球が関与する病態(関節リウマチ、AOSD、高安動脈炎、乾癬性関節炎、サルコイドーシスなど)にも効果があります。細胞内 […]

橈骨神経麻痺 radial nerve palsy

解剖 ・橈骨神経(radial nerve)は腕神経叢の後神経束から分岐し、上腕骨のまわりを巻き付くように走行し(橈骨神経溝)、肘周囲で深枝(後骨間神経:運動神経)と浅枝(浅橈骨神経:感覚神経)に分岐します。内在筋は手背には存在しないため、内在筋は支配していません。 ・指伸筋(C8・下神経幹)はMP関節の伸展を担います。PIP関節、DIP関節の伸展は手内筋(虫様筋、骨間筋)が主に作用するため、指伸 […]

NMOSD 治療

急性期治療 急性増悪の際の治療としてはステロイドパルス療法と血液浄化療法が挙げられます。 1:ステロイドパルス methyl presonidolone 500-1000mg/day 3-5日間 その後ステロイド後療法を1mg/kg/日で継続する場合が多いです。 2:血液浄化療法 TPE or IAPP1500-2000ml 5-7回 IgG200mg/dl前後を目安に終了もしくは中断を検討すると […]

Emery-Dreifuss型筋ジストロフィー

病態 Emery-Dreifuss muscular dystrophy(EDMD)は以下の3徴を特徴とした遺伝性の筋ジストロフィーです。通常は小児期に発症します。1960年代にEmery先生とDreifuss先生が見い出したことからこの名前が付いています。私は過去に循環器内科の先生から、「不整脈で当科(循環器科)受診となりましたが、過去にアキレス腱拘縮による手術歴がありEmery-Dreifus […]

カルシニューリン阻害薬 シクロスポリン・タクロリムス

作用機序 カルシニューリン阻害薬はシクロスポリン(Cyclosporine A: CyA)とタクロリムス(Tacrolimus: Tac, FK506)が挙げられます。後者は筑波で発見されたマクロライド系の免疫抑制剤ということで、Tsukuba macrolide immunosuppressantから”Tacrolimus”という名称が付いています。 作用機序は […]

アザチオプリン Azathioprine

一般名:アザチオプリン商品名:アザニン®・イムラン® 製剤:50mg/1錠 ■作用機序 アザチオプリンはプロドラッグで体内で6-MPに代謝され薬効を発揮します。プリンと名前が付いている通りプリン体代謝(DNA合成)を阻害することで、免疫抑制・細胞増殖を抑制する効果を持ちます(下図参照)。細胞選択性はありません。 ■使用方法 開始量:25mg 1T1x(慎重) or 50mg 1T1x(普通) or […]

COVID19と血漿交換

COVID19では過剰な免疫反応が病態の一つとされており、血漿交換療法によりサイトカインを除去することで病態改善につながるのではないか?という点からCOVID19の治療方法として検討されています。過去にインフルエンザA型H1N1が流行した際にも血漿交換が有用であったという報告があります(Pediatr Crit Care Med. 2011;12:e87 – 89)。 ただ問題なのは安全性です。C […]

筋皮神経障害 musculocutaneous nerve palsy

解剖 筋皮神経(musculocutaneous nerve)・神経根:C5,6・腕神経叢:外側神経束、上神経幹・支配筋:上腕二頭筋、上腕筋、烏口腕筋*原則:筋皮神経は上腕屈筋を支配する(上腕筋は例外的に筋皮神経と橈骨神経の二重支配)*C5神経根障害で三角筋と上腕二頭筋の筋力低下が解離することが通常ないのでこの点がC5神経根症との鑑別点となります。・感覚領域:前腕橈側・掌側(外側前腕皮神経:lat […]

SLONM: sporadic late onset nemaline myopathy

病態 SLONM(sporadic late onset nemaline myopathy)は遺伝性ではなく成人に亜急性経過で発症する筋病理でネマリン小体を認める、筋疾患です。亜急性の経過で筋萎縮をきたしすため、運動ニューロン疾患の鑑別として特に重要です。 nemaline myopathyは遺伝性のものが有名で、成人発症の孤発例は全体の4%(6/143例)を占めるとされています(AnnNeur […]