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神経サルコイドーシス 治療

神経サルコイドーシスの治療に関して前向き研究は不在であり、基本的にはexpert opinionや観察研究の結果からの内容をまとめます。 ■副腎皮質ステロイド 神経サルコイドーシスの治療では通常副腎皮質ステロイドを第1選択として使用します。一般的にはサルコイドーシスによる他の臓器障害に比べて、神経サルコイドーシスはステロイドの治療反応性が悪いとされています。一定数の神経サルコイドーシス患者はステロ […]

SBMA: spinal and bulbar muscular atrophy 球脊髄性筋萎縮症

病態 ・遺伝形式:XR X染色体上のアンドロゲン受容体遺伝子のCAG repeat異常(38以上、通常は11-36、*47前後が多い(最大62))により変異AR(androgen receptor)が下位運動ニューロン核内に集積していくことが病態です(別名:Kennedy Alter Sung syndrome)。・リピート数は病態を反映し、ポリグルタミン病のためanticipation(表現促進 […]

神経有棘赤血球症 Neuroacanthocytosis

病態 神経有棘赤血球症(Neuroacanthocytosis)は有棘赤血球(下図参照)を伴い、神経症状を呈する病態の総称です。この有棘赤血球自体が神経症状を引き起こすのか?別の問題なのか?に関しては不明な点も多いです。疾患頻度は極めてまれで、全世界で200例程度、うち日本から100例程度の報告があり日本で比較的報告が多い特徴があります。 分類 神経有棘赤血球症は舞踏運動といった不随意運動を呈する […]

Stiff-person症候群

Stiff-person症候群(以下SPSと表記する部位があります)は1956年に14例の報告を契機に提唱された、成人発症、全身性の筋痙攣と硬直を呈する慢性進行性の症候群です(歴史的変遷を下図にまとめています)。以下の記事内容はそのほとんどをPractical Neurology 2011;11:272より引用させていただきました。 病態・抗体 病態としてはGABA作動性ニューロンが抑制されること […]

Isaacs症候群

病態 Neuromyotoniaとは「末梢神経の過剰興奮(PNH: peripheral nerve hyperexcitability)に由来する筋の自発的かつ持続的の収縮」を表す表現です。これは筋収縮(随意・不随意問わず)により誘発される特徴があります。1961年にIssacsが報告してからneuromyotoniaをきたす疾患の理解が深まってきています。原因としては免疫介在性のものと、非免疫 […]

一過性全健忘 TGA: transient global amnesia

一過性全健忘(TGA: transient global amnesia・以下TGAと表記します)は日常臨床で比較的よく遭遇する疾患です(私は今年2~3か月に1回くらい)が、はじめて診療にあたったときは奇妙で不思議な感覚を今でも覚えています。臨床的な特徴をまとめます。 1:病態・誘因 一過性全健忘の「全: global」は「前向性健忘」と「逆向性健忘」いずれも含むことを表現しています。また一過性は […]

PRES: Posterior Reversible Encephalopathy Syndrome

1:病態 脳は人体にとっても最も重要な臓器であり、ある程度血圧が変動しても脳血流を一定に保つ自動調節能”autoregulation”という機能が備わっています(下図参照)。 PRES(posterior reversible encephalopathy syndrome:以下PRESと表記)の病態は 血管内皮細胞障害により、autoregulationが破綻(特に後方循 […]

ODS: osmotic demyelination syndrome 浸透圧性脱髄症候群

0:はじめに 学生の時に勉強したときのイメージと実際の臨床像が全く違う疾患の1つと個人的には思います(学生の時にはこの疾患になったら死しかないと思っていましたが、実際には違います)。まず、疾患概念の理解の助けにもなるので、この疾患概念の推移を簡単に記載します。 1959年Adamsらによって橋中心性脱髄症候群CPM(central pontine myelinosis)の症例が初めて報告(AMA […]