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SLONM: sporadic late onset nemaline myopathy

病態 SLONM(sporadic late onset nemaline myopathy)は遺伝性ではなく成人に亜急性経過で発症する筋病理でネマリン小体を認める、筋疾患です。亜急性の経過で筋萎縮をきたしすため、運動ニューロン疾患の鑑別として特に重要です。 nemaline myopathyは遺伝性のものが有名で、成人発症の孤発例は全体の4%(6/143例)を占めるとされています(AnnNeur […]

神経生検 検体採取

前回筋生検の手技に関して解説させていただき、今回は神経生検の採取のところまでの手技に関して解説させていただきます。 適応 ・血管炎によるニューロパチー・サルコイドーシスによるニューロパチー・アミロイドーシスによるニューロパチー・悪性リンパ腫によるニューロパチー・ハンセン病 これらが特に神経生検の意義が大きい疾患です。 神経の選択 一般的には腓腹神経(sural nerve)で神経生検を行います。こ […]

筋生検 検体採取

神経内科は手技が少ない科ですが、筋生検と神経生検が手技として重要です。ここでは筋生検の手技に関してまとめさせていただきます(具体的な固定や染色の方法はまた別途に記事にする予定です)。施設や先生方によってやり方は多少の違いがあると思いますのであくまで参考にしていただけますと幸いです。 採取部位の選択 生検適した筋・MMT4程度:筋力低下がないと所見が得られないし、筋力低下が強すぎると脂肪変性により有 […]

進行性核上性麻痺と表情

少しゆるめの話です。 下の絵画に描かれた人は進行性核上性麻痺ではないかと指摘されています(Lancet neurology “Portrayal of progressive supranuclear palsy in the 16th century”)。進行性核上性麻痺の患者さんの表情がパーキンソン病患者さんの表情と違うことは前から指摘されており、パーキンソン病患者さん […]

FAP: familial amyloid polyneuropathy 家族性アミロイドポリニューロパチー

病態 FAP(familial amyloid polyneuropathy):家族性アミロイドポリニューロパチーはアミロイドが末梢神経を含む全身の臓器に沈着する遺伝性の疾患です。 アミロイドの前駆蛋白により分類され、transthyretin(TTR)、apolipoprotein A-1、gelsolinが挙げられます。この中で最も頻度が多いのはFAP ATTR Val30Metで、アミノ酸配 […]

Sjogren症候群と末梢神経障害

Sjogren症候群に伴う末梢神経障害は神経内科医にとって治療に難渋することも多く、長くつきあっていく疾患でもあります。ここでは末梢神経障害のみをまとめます。 病型 具体的な取りうる末梢神経障害のパターンに関して、92例のシェーグレン症候群による末梢神経障害をまとめた論文(Brain 2005;128:2518)から引用させていただきます。 ■疫学・76例女性、16例男性 平均59.7才・93%は […]

異常蛋白血症に伴う末梢神経障害 Paraproteinemic neuropathy

異常蛋白血症(paraproteinemia)とは? まず基本的なおさらいですが、形質細胞由来の免疫グロブリンはHeavy chain(H鎖)とLight chain(L鎖)の2つから構成されています。H鎖はIgG,IgA, IgM, IgD, IgEの5種類があり、L鎖はκとλの2種類があります。これらが組み合わさることで免疫グロブリンを構成しています。そして、このうちある一種類の免疫グロブリン […]

CANVAS: Cerebellar ataxia with neuropathy and vestibular areflexia syndrome

病態 Cerebellar ataxia with neuropathy and vestibular areflexiasyndrome(CANVAS)は両側の前庭機能障害,小脳失調、感覚神経障害の3徴とする症候群で報告されたものです。2011年に疾患概念が提唱されまだ歴史の浅い疾患です(Neurology 2011;76:1903-1910.)。 遺伝子としては4p14に存在するRFC1(re […]

POEMS症候群

病態 POEMS症候群(Polyneuropathy, Organomegaly, Endocrinopathy, M protein, Skin changes)は形質細胞腫を背景とした多臓器疾患で、VEGF(vascular endothelial growth factor)血管内皮増殖因子の過剰産生が関与しています(Crow-深瀬症候群)。VEGFは骨髄の形質細胞由来であることが指摘されて […]

胸髄病変の神経診察

頚髄領域、腰髄領域はそれぞれ手、足があるので運動障害によるレベルの同定がやりやすいですが、胸髄領域は運動からのレベルの同定が難しいです。ここでは胸髄病変によるレベルの同定に役立つ神経診察を紹介します。 Beevor徴候 Beevor 徴候とは,「仰臥位になった患者の頭部を挙上させると臍が上方へ移動する現象」を表します。正常では頭部を挙上させようとしても臍の位置は変わりません。これは上部腹直筋と下部 […]