総合内科専門医試験について
2024年に第52回総合内科専門医を受験し、先日合否の通知がきました。私は旧専門医制度時代の人間なので、新内科専門医制度の内科専門医ではなく内科認定医しか持っていないため、移行措置での受験(病歴要約免除)をしました。旧制度の先生方は卒後10年目前後で受験することが多いかと思います。 今後受験される先生方の参考になればと思い書かせていただきます。こちらの日経メディカルの記事に試験問題を分析されている […]
2024年に第52回総合内科専門医を受験し、先日合否の通知がきました。私は旧専門医制度時代の人間なので、新内科専門医制度の内科専門医ではなく内科認定医しか持っていないため、移行措置での受験(病歴要約免除)をしました。旧制度の先生方は卒後10年目前後で受験することが多いかと思います。 今後受験される先生方の参考になればと思い書かせていただきます。こちらの日経メディカルの記事に試験問題を分析されている […]
とあるセミナーで神経疾患の周術期管理について話す必要があり、神経疾患ごとに調べています。てんかんに関しては特別な管理が必要ということはなさそうです。「きちんと発作頻度を普段から管理して、手術当日の朝もASMはいつも通り内服してもらい、術後はできるだけすぐに元の内服をしてもらう」ということに尽きるかと思います。 項目 解説 周術期Seizure頻度 3.4% 手術によるリスクの上昇 不明 リスク因子 […]
尿毒症性脳症は除外診断です(この後の議論上誤解がないようにここで強調します)。ただ「透析を1回まわしてBUN下がったけど意識が改善しなかったので、尿毒症性脳症ではない」という議論は間違っていると思います。以下ほとんどの内容をKidney International 2022; 101: 227–241.を参照に記載させていただきます。 病態・診断 ・病態は単一ではなく、複数の要素が関与するとされて […]
昨日単純ヘルペス脳炎の患者さんが入院となりました。途中でFIAS(focal impaired aware seizure: 焦点意識減損発作)を繰り返し、持続脳波管理としています。一般的にlateralized periodic discharges(以下LPDs)は①Seizureを反映した放電、②破壊性病変により生じている放電いずれも反映している可能性があります(もちろん両者が混在している場 […]
臨床像 ポイント4点①立ち上がり:急峻(突発性 sudden)②持続時間:短い (筋電図で陽性ミオクローヌスは20-60msec, 陰性ミオクローヌスは100-500msec)③時間的な規則性:不規則(基本的には)④動きの広がり:同一平面内ではない *筋収縮が抑制される場合は陰性ミオクローヌス(negative myoclonus)= asterixisと表現します(こちら)。陽性ミオクローヌスと […]
脳梗塞急性期は血圧が上昇し、その後数日かけて自然と低下していくトレンドを辿ります。従来脳梗塞では脳血流量が体血圧依存性になっているため(autoregulationの破綻により)、脳梗塞の急性期は血圧を下げるべきではないとされていました。ではいつから降圧薬を導入すべきか?という点に関しての臨床研究を紹介します。ここでは再灌流療法(rt-PA、血管内治療)を実施しない場合をとりあげます。 ̶ […]
入院患者の指示簿に「血圧>180mmhg時〇〇使用」という記載をすることがあるかと思います。これは安全なのか?という点に関しての研究を紹介します(前向き研究はありません)。 Canales MT, Yang S, Westanmo A, Wang X, Hadley D, Ishani A, Mohandas R, Shorr R, Lo-Ciganic W. As-Needed Blood Pr […]
Frenzel眼鏡の意義 目的:眼振の注視抑制を外す・末梢前庭由来の眼振は注視(どこか一点を見つめる)ことで抑制されますが、中枢性の眼振は抑制されない *Pract Neurol 2020;20:446–450.のsupplemental video 1が分かりやすい(こちら) ポイント1:Frenzel眼鏡がないと “眼振なし”と評価できない・末梢前庭由来の眼振はFrenzel眼鏡「なし」だと注 […]
多発性硬化症の周術期管理に関するガイドラインは現時点ではありません。日本のガイドライン”多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン 2023”でも周術期に関しての記載はないです。 以下のreview文献が最も最新かつ包括的な内容なのでその記載をまとめます。すごくよくまとまっているので、若手Neurologistは自身のMS患者が何かしらの手術になる場合やコンサルテーションを受ける場 […]
元々は前庭神経炎(vestibular neuritis)といわれていましたが、前庭神経炎の病態はウイルス(特にHSV-1)による炎症だけではなく、虚血なども想定されています。そこでより包括的な疾患概念としてAcute Unilateral Vestibulopathy(AUVP)と近年は呼ばれます(以下の論文では「AUVPが望ましいが、前庭神経炎という用語も同時に使用可能」と記載しています)。 […]