脂質代謝異常に対する薬剤はここ最近種類が増えてきており、日に日にややこしさが増しています。今回はエゼチミブ(Ezetimibe)に関して勉強したことをまとめます。
作用機序:エゼチミブはNiemann–Pick C1–like 1 (NPC1L1)を標的として、腸管からのコレステロール吸収を阻害する作用機序を持ちます。
一般名:エゼチミブ
商品名:ゼチーア® 製剤:10mg *スタチンとの合剤もあります
処方例:ゼチーア®10mg 1日1回内服(食後)
エゼチミブは単独で使用することでのエビデンスはなく、スタチンに追加することでよりLDLを下げ心血管イベントを抑制する報告があります。実臨床ではスタチン単剤増量でも十分にLDLを下げきれない場合にエゼチミブ追加を検討します。PCSK9阻害薬は高価で皮下注射でもあるため、基本的にはPCSK9阻害薬使用前にエゼチミブを追加するべきと思います。
エゼチミブに関して検討した臨床試験の代表的なものとして”IMPROVE-IT”があるので、下にまとめます。
IMPROVE-IT