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麻薬拮抗薬鎮痛薬

ポイント・天井効果(ある一定量以上投与しても鎮痛効果は同じ)があるため一定以上の鎮痛効果を望むことは難しい。(確実な鎮痛を望む場合は用量依存性に効果を得られる麻薬性鎮痛薬を使用するべき)・短時間の処置、侵襲的検査などで使用する場合がある。・他の強オピオイドの作用を拮抗してしまう点に注意。・麻薬処方せんが不必要であるため使用しやすい。 ペンタゾシン 商品名:ソセゴン作用機序:κ受容体部分作動薬 *交 […]

アセトアミノフェン Acetaminophen

ポイント 1:解熱鎮痛薬の第1選択(長期使用での副作用が比較的少なく、NSAIDsの前にまず使用を検討)2:十分量を使用して効果がない場合にはじめて他の解熱鎮痛薬を検討する(投与量が十分でない状態で「効果なし」と判断されている場合が多い点に注意)3:NSAIDsと異なり抗炎症作用はない(痛風などには効果がない) 特徴 ・作用機序:NSAIDsと異なり末梢での抗炎症作用は持たない(このため炎症を抑え […]

痛風 gout

病態/臨床像 ・病態:尿酸ナトリウム結晶の沈着・男女比が9:1と圧倒的に男性に多く、女性で少ない理由は閉経前エストロゲンの作用で尿酸排泄が亢進しているためと考えられている。・結晶の析出が病態なので、基本温度が高い体幹近くの関節では起こりにくく温度が低い遠位の関節で発症しやすい。また夜間は体温減少するため結晶が析出しやすい(このため明け方に母趾MTP関節での発症が多い)。 リスク因子 ・脱水、外傷、 […]

2次性高血圧症

原因 成人で2次性高血圧は高血圧全体の5~10%を占めるとされています(AmFam Physician. 2010;82(12):1471-1478.)。このため、高血圧患者さんを全て本態性高血圧症と片付けるのではなく、一度は2次性高血圧症の評価を行うべきです。2次性高血圧症の原因は下記が挙げられます。 ■内分泌:原発性アルドステロン症・褐色細胞腫・クッシング症候群・先端肥大症・甲状腺機能亢進症・ […]

一過性脳虚血発作 TIA: transient ischemic attack

個人的にはTIAの診断は病歴聴取能力をよく反映した疾患と思っており、研修医の先生にも積極的に指導している疾患です。高齢者の「なんとなくちょっと調子がわるかった」が全てTIAになってしまうとその後ずっと抗血栓薬を内服しつづけないといけない代償が大きいですし危険です。 臨床像/診断のポイント ・神経症状の持続時間は通常「秒から分単位」(通常1時間以内)のことが多いです。これより長い時間だと通常梗塞とし […]

脳波の基本 EEG: Electroencephalogram

脳波は私の苦手な分野です(いつか得意と自信を持っていえる日は来るのだろうか・・・)。ここ最近は出来るだけ積極的に脳波を読んで訓練を積む努力をしていますが、まだまだ自信がありません。前にホームページのアンケートをさせていただいた際に「脳波」の希望が非常に多かったため、まずは基本的な内容から少しずつ記載していきます。いかんせん量が膨大なので少しずつupdateしていければと思います(まだまだ言葉ばかり […]

食べ物アレルギー food allergy

分類(以下はいずれもⅠ型アレルギー) 1:即時型アレルギー(アナフィラキシー)2:食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis:FDEIA)3:口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome: OAS) 原因 ・鶏卵、牛乳、小麦が3大アレルギー原因(これらは幼少期にアレルギーとなりやすいが、年齢が上がる […]

失行 apraxia

麻痺や失調があるわけではないが、運動を正しく遂行することが出来ない状態。分類の系統は確立しきっていないところもあるため言葉に注意が必要。左半球の頭頂葉の障害で両上肢に認める場合が多い(失語に合併する場合が多い) 肢節運動失行 limb-kinetic apraxia 病態:手先が不器用になってしまう 観念運動性失行 ideomotor apraxia 病態:社会慣習で意味が決まっている信号的な動作 […]

延髄内側梗塞 medial medulla infarction

延髄の脳血管障害は特にPICA領域の梗塞による延髄外側症候群(Wallenberg症候群:詳しくはこちらをご参照ください)が有名ですが、延髄内側の梗塞もしばしば遭遇します(脳梗塞全体の0.5-1.5%と報告されています)。対側の運動障害(顔面を除く)、対側の深部感覚障害と同側舌下神経障害を3徴としたDejerine症候群(「デジェリン」と読みます)を呈することが有名です。 延髄の解剖・血管支配 血 […]

高齢発症てんかん Epilepsy in the elderly

「てんかん」というと患者さんの多くも「子供の病気」というイメージを持っておられる方が多いですが(ご高齢の方に「てんかん」の病名を告げると多くの場合びっくりされます)、高齢者の神経疾患は1位:脳血管障害、2位:認知症、そして3位:てんかんと高齢者で非常に多い特徴があります。下図の様にてんかん発症頻度は2峰性であり、小児期と高齢者に多く認めます。 原因疾患 脳血管障害(最多)>腫瘍>アルツハイマー型認 […]