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お知らせ WordPressテーマの変更

熱い日々が続いておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか?本ホームページは”Wordpress”で作成していますが、ありがたいことに当初想定していたよりも記事の数も多くなりGoogle検索などでも表示されるようになってきました。ちょっとマニアックな話で恐縮ですが、”Wordpress”には元のデザイン設計の「テーマ」というものがあり私は元々無料の「テー […]

Ocular neuromyotonia: ONM

極めてまれな疾患ですが(神経眼科領域では有名かもしれませんが、対応する日本語の病名はまだ存在しません)、私は1年間で2例診断したことがあり、きっと未診断例が多く存在するのではないかと思っています。非常に特徴的な臨床像から臨床診断が可能なので、「本疾患を知らないと診断できないけれど、本疾患を知っていればsnap diagnosisが可能な疾患」です。 病態 「外眼筋(1つ以上)が自発的に攣縮し、発作 […]

Eculizumabと髄膜炎菌感染症

元々はaHUS/PNHに対して使用されていましたが、神経内科領域では重症筋無力症、視神経脊髄炎関連疾患で抗補体モノクローナル抗体のeculizumab(商品名:ソリリス)が投与される機会が近年増えてきています(ギランバレー症候群は現在治験中)。しかし、Eculizumab投与中髄膜炎菌感染症は1000-2000倍増加するとされており、髄膜炎菌感染症は致死的なため医療従事者は十分注意する必要がありま […]

特発性縦隔気腫 pneumomediastinum / spontaneous mediastinal emphysema

救急外来をやっていて、若年者の胸痛や頸部痛、呼吸困難でときどき遭遇するのが「特発性縦隔気腫」です(自分の記録を振り返ると3例経験がありました)。先日もERで経験しましたが、今まできちんと文献で調べられていなかったため一度調べてみました。 病態と臨床像 ・肺胞の空気が胸腔内に漏れてしまう現象が気胸、肺胞の空気が肺胞の間質に漏れてしまい、縦隔へ広がる現象が縦隔気腫と私は理解しています。・外傷があるもの […]

Cryptogenic strokeとESUS: Embolic stroke of undetermined source

脳梗塞の病型分類はTOAST分類が最も有名で、実臨床ではこのうち分類不能:潜因性脳梗塞(cryptogenic stroke)に該当することが多いことが臨床医にとっては問題でした。そして更に分類するために2014年Lancet Neurology誌で報告された分類概念がESUS(Embolic stroke of undetermined source)です(Lancet Neurol 2014; […]

ALS: amyotrophic lateral sclerosis 筋萎縮性側索硬化症

病態/病型 原因がまだ解明されていませんが、全身の上位運動ニューロンと下位運動ニューロンが選択的に障害され、進行性の病態をとります。 1:上位+下位運動ニューロン障害・古典型・進行性球麻痺型 PBP(progressive bulbar palsy)2:下位運動ニューロン障害主体(上位運動ニューロン障害を欠く)・脊髄性筋萎縮症・Flail arm(Brachial amyotrophic dipl […]

前大脳動脈領域の脳梗塞・解離 Anterior cerebral artery infarction/dissection

ACA領域の脳梗塞は急性期病院で勤務していても年に数例程度で稀な病態です。ACA領域の脳梗塞の原因として、「ACA解離」が近年の画像技術の進歩によって証明されるケースが増えてきており、特に日本からの報告が多く(頭蓋内血管解離がAsiaで多い)ここに勉強した内容をまとめます。 1:前大脳動脈(ACA: anterior cerebral artery)の解剖 A1: horizontal segme […]

「いやな気分よ、さようなら」 “Feeling Good” 著:David D. Burns

久しぶりにおすすめ本の紹介です。この本は「うつ病」に関する一般の方向けの内容ですが、うつ病だけでなく日常生活で感じる様々な「感情」に対しての深い洞察がされており非常に勉強になる本です。前提知識は必要なく医療従事者が読んでも一般の方が読んでもどちらでも勉強になります。本書のアプローチは極めて論理的で、「我々が無意識に信じ込んでしまっている非論理的な仮説を徹底的にあぶりだして検証する」という作業を繰り […]

日本から台湾へのCOVID19ワクチン供給

今回は本当にブログという感じで、最近あった嬉しいことを報告させていただきます。先日台湾の医師の方がこのホームページを読んでくださり、英語でコメントをくださりました。コメントの最後の部分に「日本から台湾へのワクチン供給をありがとうございます」とあり、以下にそのまま引用させていただきます。 “I really appreciated the 1.24 million doses of As […]

心因性と器質性疾患の鑑別

「心因性疾患は精神的ストレスから診断するのではなく、神経症候から積極的に診断するものだ」と教わりました。除外診断ではなく、また心理的なストレス要因が必須ではないとされており、神経症候からきちんと診断するべきです。またこれは医療従事者にもしばしば誤解されていますが、患者さんが意図的に医療者を惑わす「詐病」とは根本的に異なります(患者さんが意図的に行っている訳では全くない)。ヒステリーとの鑑別を通じて […]