注目キーワード
CATEGORY

呼吸

呼吸機能検査 フロー・ボリューム曲線

フロー・ボリューム曲線 フロー・ボリューム曲線は横軸:容量(ボリューム:左へいくほど多い、右へいくほど少ない)、縦軸:流速(上が呼気で下が吸気)を表現した曲線です。フロー・ボリューム曲線はそもそもどういうものなのか?その成り立ちを解説していきます。 「どの要素(パラメーター)を決めればグラフを描くことが出来るのか?」を把握することがフロー・ボリューム曲線の理解に重要です。以下4つのパラメーターを決 […]

呼吸性アルカローシス

病態 呼吸性アルカローシスは何らかの原因で呼吸中枢が活性化し、換気量が増えることでPaCO2が下がる病態です。呼吸を駆動系・肺胞・血液の3つに分類すると、駆動系の問題に該当し、肺胞や血液の問題ではありません。このため鑑別はかなりシンプルになります。 原因を上げると下記が挙げられます。 ・低酸素血症による呼吸中枢へのフィードバック・敗血症の初期・疼痛、精神的苦痛・サリチル酸中毒・肝不全・妊娠 このう […]

アナフィラキシー anaphylaxis

病態 アナフィラキシーはアレルギーの中でもⅠ型アレルギーに属し、抗原暴露に伴い抗原が肥満細胞上のIgEと結合し、肥満がヒスタミンを分泌することで全身臓器に影響を起こします。もともとIgEが肥満細胞上に載っているため、抗原暴露後すぐに反応が起こります。下図のオレンジ色点線で囲った部分が該当します(好酸球などは時間がかかりアナフィラキシーの病態にはほとんど関与しない)。 抗原暴露の原因は食べ物、薬剤、 […]

なぜあなたは呼吸回数を測らないのか?

みなさま普段呼吸回数をきちんと測っていますでしょうか?実は偉そうなことを言っておきながら、私は初期研修医の時に呼吸回数をあまり測ることが出来ていませんでした・・・。呼吸回数は「バイタルサイン」の1つですが、実際カルテに記載がなかったり、プレゼンテーションでも言っていない場合があったりと、非常に軽視されている場合が多いように感じます。 おそらく呼吸回数を測らない原因は「測定に時間がかかり面倒くさい」 […]

気管切開カニュレ

1:構造 気管切開をされている患者さんは神経内科領域ではALSの患者さんなどかなり多いです。ここでは気管切開カニュレ(チューブ)のの構造と基本的な管理、交換方法に関して解説します。 気管切開の適応ですが、人工呼吸管理が長期化する場合と、呼吸状態は安定していても喀痰の喀出が自分では困難な場合が挙げられます。 適応:長期人工呼吸器管理・上気道狭窄(声帯麻痺など)・喀痰排出困難 ■基本構造 以下の構造が […]

人工呼吸管理と循環動態

通常私たちは陰圧換気(胸腔内圧を陰圧にすることで大気と肺胞内に圧較差を作り、空気を肺に流入させる方法。詳しくは人工呼吸器の原理の項こちらをご参照ください。)をしていますが、人工呼吸管理では陽圧換気(陽圧をかけることで肺胞内と圧較差を作り空気を肺に流入させる方法)を行います。陽圧換気では胸腔内圧が上昇し、胸腔には心臓・肺・血管など循環動態を担う様々な臓器が存在しているため、循環動態へ影響が出ます。そ […]

肺のメカニクス

1:肺は縮みやすい・胸郭は縮みにくい 呼吸を考える際、私たちはついつい肺のことだけを考えてしまいますが、実際には「肺」と「胸郭」が合わさって呼吸器システム”passive respiratory system”を形成しています。ここではこの呼吸器システムがどのような物理的特徴を持っているか?いわゆる「肺のメカニクス」に関して考えていきます。 「肺」と「胸郭」はそれぞれ「肺は […]

ARDS: acute respiratory distress syndrome

昨今のCOVID19の影響でARDSの管理に対する知識の必要性が増しています。ここで勉強した内容をまとめさせていただきます。 1:病態 ARDS(acute respiratory distress syndrome)は「何らかの原因により肺血管透過性が亢進し、肺水腫をきたす病態の総称」です。病理学的にはDAD(diffuse alveolar damage)が特徴とされています。経過により病態が […]

VILI: ventilator induced lung injury

1:病態 歴史的には1950年台ポリオの流行により人工呼吸の創成期を迎え、人工呼吸器による肺障害が認識されるようになりました。そして1967年人工呼吸器管理患者の剖検でびまん性の肺胞浸潤、ヒアリン膜形成を認め “respirator lung”と名付けられたのが人工呼吸器関連肺障害の始まりです。これらをまとめて現在はVILI (ventilator induced lung […]

人工呼吸器 モード・設定

人工呼吸器の原理に関して別項で解説させていただきました(こちら参照)。ここではこの原理を踏まえて、ややこしい人工呼吸器のモードと具体的な設定を解説します。 1:モード 人工呼吸器が換気をサポートする方法は「強制換気」と「補助換気」の2通りあります。前者は人工呼吸器で強制的に空気を送り込むことで一定の換気量(もしくは圧)を得る方法で、後者は患者さんの自発呼吸を尊重し、それを圧でサポートする方法です。 […]