注目キーワード
CATEGORY

神経

spinal dural AVF 脊髄硬膜動静脈瘻

spinal dural AVFの症例をとっても久しぶりに経験しました。非常に稀ですが誤診されやすく、見逃してはならない治療可能な脊髄疾患として重要です(神経内科医、整形外科医、Generalist全てにおいて)。調べた内容をまとめます。 病態・解剖 ・硬膜内の動脈(radiculomeningeal artery)と静脈の短絡による静脈圧上昇→動静脈圧の圧格差が減る→正常静脈のドレナージが減少し […]

パーキンソン病 内服できない場合の対応

予備知識 内服できない場合の合併症①運動機能悪化に伴う誤嚥や転倒、褥瘡(圧挫)など②悪性症候群のリスク 周術期の管理に関して こちらのまとめをご参照ください。 そのまま中止して問題ない薬剤 MAOB阻害薬,COMT阻害薬,アマンタジン*アマンタジンは稀に離脱としてジストニアをきたす場合があり注意 投与してはいけない薬剤 ・制吐剤:メトクロプラミド→対応ドンペリドンにする・抗精神病薬:出来るだけ使用 […]

HSV-2 髄膜炎

HSV-2はウイルス性髄膜炎の3大原因の1つ(Enteroウイルス,帯状疱疹ウイルス,HSV-2)で日常臨床でもしばしば遭遇します(髄液Filmarray®にも含まれています)。HSV-1は脳炎,HSV-2は髄膜炎を中枢神経病変として呈することが多いです。HSV-2初感染や再燃時に髄膜炎を呈することがあり,臨床像をまとめます。 臨床像 “Herpes Simplex Virus 2 M […]

副鼻腔炎と神経合併症

以下の内容は”Neurological Complications of Acute and Chronic Sinusitis. Curr Neurol Neurosci Rep. 2018 Feb 5;18(2):5.”PMID: 29404826.を参照させていただきました。頭部CTを撮影すると副鼻腔炎は偶発的によく認めますが、念のため骨条件で骨破壊などの所見がないか […]

East Asian Paradox

東アジア人は白人と比較して血栓症が少なく、出血合併症が多い傾向があり、2012年Jeongがこの現象を”East Asian Paradox”と表現しています。背景には凝固因子(遺伝性のFactor Ⅴ Leidenなど),食事,肥満,炎症など様々な因子の関与が想定されます。我々臨床医が抗血栓薬に関する大規模臨床試験を読む際は「臨床研究の患者背景がアジア人かどうか?」という […]

心房細動の対するアブレーション治療

心原性脳梗塞を契機に心房細動がみつかるケースはしばしばあります。この際に循環器内科に外来でアブレーションを検討してもらうかどうか?の基準に関して脳卒中を診療する医師はある程度知識があった方が良いかもしれません(私は勘違いがありました)。先日循環器カンファレンスで心房細動に関してレクチャーで教えていただき、日循のガイドラインを私も読んで勉強させていただいた内容を簡単にまとめます。循環器の先生方で適宜 […]

左室内血栓 LV thrombus

脳梗塞診療で心原性塞栓症というとそのほとんどが心房細動によるものですが,時折問題になるのが左室機能不全に伴う左室内血栓です。以下の内容は全てCirculation. 2022;146:e205–e223.を参考に記載させていただきました。 形成因子:①左室機能不全,②心内膜障害,③炎症または過凝固状態 ・左心室血栓形成リスクは「虚血性心筋症>DCM」 STEMI 4~39%, DCM 2~36%・ […]

ナツメグ中毒 nutmeg intoxication

ナツメグ nutmeg:Myristica fragrans treeの実 wikipediaより香辛料:ハンバーグなど肉料理 *スターバックスのトッピングであるかも 原因成分:myristicin(ミリスチン)→代謝されMMDA(3-methoxy-4,5 methylenedioxyamphetamine)になる(交感神経刺激+幻覚誘発)*抗コリン作用(口渇、顔面紅潮、嘔気、ふらふら、尿閉、視 […]

てんかん発作と不整脈

てんかん発作と不整脈の関係に関して調べます。意外と心室頻拍などの心室性不整脈に関しては情報がまだ得られていません。ほとんどがasystoleに関してですね。*参考文献:Neurol Neurosurg Psychiatry 2016;87:69–74. 内訳:ictal asystole 103例, postictal asystole 13例, ictal bradycardia 25例, ic […]