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てんかん

抗てんかん薬 治療効果判定

抗てんかん薬の目標は「発作ゼロ」を目指すことです。抗てんかん薬を始めたはいいものの、何をもって「抗てんかん薬の効果がある/なしと判断するか?」という治療効果判定に関して関してまとめていきます。 慢性期(外来患者さん・抗てんかん薬の調整) ■治療効果判定 ポイント1:最も重要な指標は臨床的な「発作」が減少しているかどうか?・コントロールの指標は「臨床的な発作頻度」>>>「脳波所見」・「抗てんかん薬血 […]

非専門医のための脳波検査

脳波検査の解釈を非専門医が習得する必要は全くありません。ただ、「いつ脳波検査を依頼するべきか?」は非専門医であったとしても十分に分かっていた方が望ましいと思います。今回はそういった基本的内容に関してまとめていきたいと思います。脳波検査の電極やアーチファクト、解釈などに関してはこちらをご参照ください。 脳波検査で分かること・分からないこと ・一般的に「検査について知っている」とは「その検査によって何 […]

発作(Seizure)の臨床像

てんかんの臨床像を把握することは病歴聴取上極めて重要です。病歴聴取が不十分なまま脳波検査に突入しても迷宮入りしてしまうためまずは代表的な臨床像を知識として把握しておく必要があります。てんかんは「前提知識がないとそもそも何を問診すればよいか分からない」という事態に陥りがちなので重要です。これもまだ未完成なのですが適宜追記していきます。 発作(seizure)の3原則 ①発作型が毎回同じ②持続時間は1 […]

初回の非誘発性発作(unprovoked seizure)へのアプローチ

簡単におさらいすると「てんかん(epilepsy)」は病名で、「発作(seizure)」は脳細胞の異常興奮に由来する症状(総称)です。発作の中に「痙攣(convulsion)」を呈するものも「非痙攣性(non-convulsive)」のものもあります。そしてこの発作が中毒や脳出血急性期などの誘因があるものを「急性症候性発作(acute symptomatic seizure)」と、誘因がない「非誘 […]

抗てんかん薬/抗発作薬 総論

抗てんかん薬の各薬剤に関しては今まで多く紹介してきましたが、ここでは総論に関してまとめたいと思います。*近年抗てんかん薬(AED)ではなく抗発作薬(ASM: antiseizure medication)と表現します。てんかんを治している訳ではなく、発作を治療(予防)している薬剤であるという意味を明確にするためです。以下抗てんかん薬と表記しているところも抗発作薬と同義とご理解ください。 抗てんかん […]

カルバマゼピン CBZ: carbamazepine

薬剤の特徴 商品名:テグレトール 作用機序:Na受容体阻害 適応:部分発作*全般発作に対しては効果なし*ミオクローヌスは増悪させてしまう場合がある点に注意 代謝:肝臓CYP3A4半減期:投与36時間(初めの1か月程度)*反復投与(自己誘導後)16-24時間  TDM7-14日後GradeA血中濃度:4-12μg/ml 製剤:錠剤(100mg,200mg/錠)、細粒 *点滴製剤なし剤形:錠剤、細粒  […]

てんかんと妊娠

久しぶりの投稿となり申し訳ございません。2022年もどうぞよろしくお願い申し上げます。てんかんと妊娠はとても重要なテーマで調べた内容をガイドラインに基づいたものが基本ですがまとめます。 てんかん発作の頻度は妊娠中変化するのか? 発作頻度:不変約50%、増加約25%、減少約25%→総じると変化なし*文献により報告さまざま 抗てんかん薬の血中濃度と妊娠の関係 ・妊娠中に薬物代謝(特にクリアランス)が変 […]

TEA: transient epileptic amnesia

先日既報のTEAと臨床像がほぼ合致し、脳波上もcomfirmできた症例を外来で経験しました(確定診断例は実ははじめてです)。TGAの方が臨床像遭遇する機会は圧倒的に多いですが(TGAに関してはこちらのまとめをご参照ください)、重要な対立鑑別なので勉強した内容をまとめます。 臨床像 ・TGAと同じく発作性の前向性健忘+逆行性健忘が臨床上の特徴でその他の高次脳機能障害は伴いません。また自動症などを伴う […]

てんかんと精神症状

最近私の臨床はもっぱらこのテーマで悩まされています。調べると用語の統一などもいまいちであり、なかなかsolidな議論をしにくい内容ではありますが、調べたことをまとめさせていただきます(ほとんど自分用の知識整理で恐縮です)。報告により様々ですがてんかん患者さんに精神病合併は2-7%と報告されています。 ictal psychosis 発作時精神病 ■臨床像・部分(焦点)発作の症状(ictal)として […]

ラコサミド LCM: lacosamide

発売開始後から近年非常に処方する機会が増えた薬剤の代表がlacosamideです。優秀な新規抗てんかん薬をまとめて3L(lacosamide, levetiracetam, lamotrigine)と呼ぶこともあるようです。 薬剤の特徴 商品名:ビムパット 作用機序:Na受容体阻害 適応:部分発作(二次性全般化発作を含む) 半減期:15時間 約3日で定常状態に達する製剤:錠剤(50mg, 100m […]