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認知症・高次脳機能障害

Lewy小体型認知症 DLB: dementia with Lewy bodies

Lewy小体を病理学的特徴とす病態をLBD(Lewy小体病)と表現します。DLBとPDDは同一疾患のスペクトラムとしてとらえることができるとガイドラインにも記載されており、臨床研究などでは便宜上パーキンソニズムが認知症に1年専攻する場合をPDD、認知症がパーキンソニズムに先行する場合をDLBとするとしています。 臨床像 Lewy body沈着の沈着部位により対応する神経症状を呈します(下図)。・視 […]

視空間認知

視空間認知障害の分類 1:背背側経路 “How”:意識に上らない行為 「視覚性運動失調」、「把握の障害」2:腹背側経路 “Where”:対象物の位置、座標 「半側空間無視」、「視覚性注意障害」3:腹側経路 “What”:対象物の形 「視覚性失認」(物体・相貌・街並)、「大脳性色覚障害」 1:背背側経路の障害 “Ho […]

失行 apraxia

麻痺や失調があるわけではないが、運動を正しく遂行することが出来ない状態。分類の系統は確立しきっていないところもあるため言葉に注意が必要。左半球の頭頂葉の障害で両上肢に認める場合が多い(失語に合併する場合が多い) 肢節運動失行 limb-kinetic apraxia 病態:手先が不器用になってしまう 観念運動性失行 ideomotor apraxia 病態:社会慣習で意味が決まっている信号的な動作 […]

HDLS/ALSP: hereditary diffuse leukoencephalopathy with spheroid/Adult onset leukoencephalopathy with neuroaxonal spheroids and pigmented glia

病態 ・神経軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症(hereditary diffuse leukoencephalopathy with spheroid:HDLS)は遺伝性(常染色体優性遺伝)の白質脳症を呈し、成人発症の若年性認知症の原因として重要です。ミクログリアの機能異常が病態で、ALSP(Adult onset leukoencephalopathy with neuroaxo […]

進行性核上性麻痺 PSP: progressive supranuclear palsy

病態 ・4R tauの沈着が病態で、そのtau蛋白の沈着分布により臨床像には幅があります(下図参照)。もともとは1964年に指摘され、その後PSP-Pが2005年に指摘(2000年以前の報告は基本的にPSP-RSのものである点は注意が必要である)、PSP-PAGFが2007年に指摘されるようになりました。*4R tau:PSP, CBD, AGD, 3R tau:Pick病・病理学的には淡蒼球内側 […]

幻視 visual hallucinations

1:幻覚と錯覚の違い 幻覚(hallucination)は実在しないものを認知してしまう現象で、どの知覚で認知するかによって「幻視:視覚で認知」(Visual hallucination)、「幻聴:聴覚で認知」(Auditory hallucination)、「幻臭:嗅覚で認知」(Olfactory hallucination)、「幻触:触覚で認知」(Tactile hallucination)と […]

一過性全健忘 TGA: transient global amnesia

一過性全健忘(TGA: transient global amnesia・以下TGAと表記します)は日常臨床で比較的よく遭遇する疾患です(私は今年2~3か月に1回くらい)が、はじめて診療にあたったときは奇妙で不思議な感覚を今でも覚えています。臨床的な特徴をまとめます。 1:病態・誘因 一過性全健忘の「全: global」は「前向性健忘」と「逆向性健忘」いずれも含むことを表現しています。また一過性は […]

記憶障害

1:記憶の分類 記憶に関する言葉は沢山あり混乱しやすいですが、何を基準に分類されているかを把握すると理解しやすくなります。具体的には記憶内容による分類、時間軸での分類、発症時点からの分類を以下に載せます。 ■記憶内容による分類 何を記憶しているか?(つまり記憶内容)により分類します。陳述記憶は言葉で表現できる記憶で、物事の意味を表す意味記憶と、昨日○○をしたというようなエピソード記憶に分類されます […]