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感染症

単純ヘルペス脳炎 HSE: herpes simplex encephalitis

現在非常に重症な単純ヘルペス脳炎患者さんの診療をしており調べた内容をまとめます。 病態 単純ヘルペスウイルスにはHSV1とHSV2が存在しますが、前者のHSV1が単純ヘルペス脳炎の95%以上を占めます。ヘルペスウイルスの中枢神経への進展経路としては1:三叉神経あるいは嗅神経を介した直接浸潤2:中枢神経外での再感染からの波及3:中枢神経内潜伏感染の再活性化が想定されています。感染の機序としては1の直 […]

G群連鎖球菌 GGS: Group G Streptococcus

先日救急外来で熱源不明で入院となった患者さんの血液培養が4/4本からG群連鎖球菌(以下GGSと略記します)が検出されました。GGSは血液培養からたびたび検出されることがある菌ですが、きちんと調べられていなかったので調べた内容をまとめさせていただきます。 分類 溶血性は「β溶血性」、Lancefield分類ではGに分類され、一般的にはG群連鎖球菌(Group G Streptococcus)と表現さ […]

肺炎 Pneumonia

「肺炎」は実臨床でよく遭遇しますが、なんでもかんでも「肺炎」とくくってしまうと適切な診断や治療に結びつかない場合も多々あります。ここであらためて「肺炎」へのアプローチを考えてみます。以下では主に「細菌性」の肺炎を扱います。 病歴 ・まず問診上重要なことは「上気道症状」と「下気道症状」をきちんと分けて問診することです。上気道症状が主体であればもちろん上気道炎らしさが上がるし、下気道症状が主体であれば […]

免疫不全と感染症

免疫不全の分類 免疫不全をただ漠然と「免疫不全」とくくってしまうのではなく、具体的に免疫機序のどの部分が障害されているか?により大きく「好中球減少」・「細胞性免疫不全」・「液性免疫不全」の3通りに分類するとアプローチがしやすくなると思います。以下に免疫不全と対応する病原体の関係をまとめた図を掲載します。 好中球減少 ・好中球減少をきたす原因の代表は白血病、またその治療である骨髄移植です。・原因病原 […]

発熱性好中球減少 FN: febrile neutropenia

悪性腫瘍を扱っていない医師でも救急外来で対応しなければいけないのが発熱性好中球減少です。私自身も経験が多い訳ではないため、この記事ではIDSAのガイドラインに沿ってそのまままとめさせていただきます(参考文献:”Clinical Practice Guideline for the Use of Antimicrobial Agents in Neutropenic Patients w […]

サルモネラ感染症

ここではチフス以外のサルモネラ感染症を扱います。具体的な菌としてはSalmonella(S.enteritidis/S.typhimurium/S.heidelberg/S.newport/S.agona)による感染症です。腸内細菌科のGNRで、基本自然界のどこにでも存在しているとされています。 感染経路 1:食べ物:卵、鶏肉が代表的*卵黄1/10,000はSalmonella enteritid […]

発熱へのアプローチ:救急外来version

救急外来での発熱の鑑別は無数にあり、体系的なアプローチを持っていないとただ漠然と身体所見をとったり、肺炎と尿路感染症ばっかりを考えてしまうことになりかねません。ここでは普段私が救急外来で研修医の先生方と話している発熱へのアプローチを紹介させていただきます。(ちなみに入院患者さんでの発熱へのアプローチはこちらもご参照ください) 1:どこの臓器の感染なのか? 個人的には救急外来の発熱診療はどうしても忙 […]

GBS group B streptococcus/ Streptococcus agalactiae

1:病原体 GPC chain, Streptococcusの中でB群連鎖球菌に属します、Streptococcus agalactiaeと名前が付いています。Streptococcusは分類がややこしいのでまとめを載せます。 (以下は自験例のGBS菌血症の血液培養グラム染色画像です) 常在部位は以下の通りです。感染症は基本的にこれらから直接菌が波及、もしくは菌血症を経由することが発症します。・消 […]

レジオネラ感染症 Legionella

1:病態 ■病原体:Legionella pneumophila  1976年アメリカフィラデルフィア州で指摘された新興感染症(細胞内寄生菌)。58種類菌種があるとされていますが、このうちLegionella pneumophila type1 (Lp1)が最も頻度も多く重症になりやすいとされています(後述しますが、尿中レジオネラ抗原検査で調べるのもこのタイプです)。日本では感染症法:第4類に指定 […]

COVID19 神経合併症とその治療

COVID19に関する最新の情報・文献は日々めまぐるしい速度でup dateされています。最近はCOVID19に伴う神経合併症に関しても報告がかなり蓄積されており、この領域の論文を紹介していきます。ややまとまりに欠けた内容で恐縮ですが、適宜up dateしていく予定です。よろしくお願いいたします。 神経障害合併のまとめ Lancet NeurologyによるCOVID19の神経合併症既報のまとめ: […]