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薬剤

バルプロ酸 VPA

バルプロ酸は古くから使用されている抗てんかん薬で、それ以外にも精神疾患などでも使用することのある薬剤です。「古い抗てんかん薬」=「危ない薬」というイメージを持たれがちですが、バルプロ酸は決してそんなことはなく現代でも使用する機会の多い薬剤です(個人的にも新規に処方する機会が多くあります)。 バルプロ酸 商品名:デパケン、セレニカ 略記:VPA ■作用機序:GABA濃度増加など複数機序 ■適応:全般 […]

麻薬拮抗薬鎮痛薬

ポイント・天井効果(ある一定量以上投与しても鎮痛効果は同じ)があるため一定以上の鎮痛効果を望むことは難しい。(確実な鎮痛を望む場合は用量依存性に効果を得られる麻薬性鎮痛薬を使用するべき)・短時間の処置、侵襲的検査などで使用する場合がある。・他の強オピオイドの作用を拮抗してしまう点に注意。・麻薬処方せんが不必要であるため使用しやすい。 ペンタゾシン 商品名:ソセゴン作用機序:κ受容体部分作動薬 *交 […]

アセトアミノフェン Acetaminophen

ポイント 1:解熱鎮痛薬の第1選択(長期使用での副作用が比較的少なく、NSAIDsの前にまず使用を検討)2:十分量を使用して効果がない場合にはじめて他の解熱鎮痛薬を検討する(投与量が十分でない状態で「効果なし」と判断されている場合が多い点に注意)3:NSAIDsと異なり抗炎症作用はない(痛風などには効果がない) 特徴 ・作用機序:NSAIDsと異なり末梢での抗炎症作用は持たない(このため炎症を抑え […]

薬剤性肝機能障害 DILI: drug induced liver injury

入院患者さんの肝逸脱酵素上昇の原因として最も多いものは薬剤性です。ついつい場当たり的に薬剤を中止してしまうことがあるため予め体系的なアプローチを構築することが必要と思っています。本題と関係ないですが、ここ最近投稿が滞ってしまっており申し訳ございませんでした。 薬剤性肝機能障害 ・通常薬剤開始後5-90日で起こる。無症候性の軽症例から急性肝炎を呈する重症例まで臨床像の幅が広い。入院中の肝逸脱酵素上昇 […]

整腸剤 probiotics

整腸剤はなんとなく処方してしまう薬の代表格ですが、本当に必要か?という点を突き詰めるとなかなか使用の根拠にたどり着くことが難しいです。海外の大規模臨床試験で使用されている菌種と日本の薬剤の菌種が違うなどそのまま結果をapplyしづらい点もありますが、調べた内容を簡単にまとめます。 製剤まとめ ・「どの製剤を選ぶべきか?」という明確な基準・根拠はない(菌種も海外と日本で違いもありエビデンスに乏しい) […]

ミコフェノール酸モフェチル MMF: mycophenolate mofetil

作用機序 ミコフェノール酸モフェチル(MMF: mycophenolate mofetil)はミコフェノール酸のプロドラッグです。MMFは体内でミコフェノール酸へ加水分解され、プリン体代謝を阻害します(下図参照)。これによりT・B細胞の合成を阻害し、免疫抑制作用を持ちます。 一般名:セルセプト 製剤:250mg/1Cp 投与量:2000mg/日 最大量:3000mg/日 投与方法:1日2回投与(1 […]

抗ウイルス薬まとめ ヘルペスウイルス

ここではヘルペス系ウイルス感染症(HSV, VZV, CMVで使用するDNAポリメラーゼ阻害薬をまとめます。抗ウイルス薬は種類が多く名前もなんだか似ているためきちんと分類しないと混乱しやすい分野だと思います。インフルエンザウイルス治療薬や肝炎ウイルス治療薬、HIV治療薬に関してはこの記事では扱いませんのでご了承ください。 作用機序による分類 ・バラシクロビル(VACV)、ファムシクロビル(FCV) […]

手術・処置における抗凝固薬の休薬

ここでは手術・処置の前にあたって「抗凝固薬をそもそも中止する必要があるのか?」また中止する場合は「いつから中止する必要があるのか?」、「いつから薬を再開するべきか?」に関してまとめさせていただきます。抗血小板薬の休薬に関してはまた別に記載させていただければと思います。 ■DOACに関して”European heart rhythm association”の2018年gui […]

ヘパリンブリッジ

「ヘパリンブリッジ」は慣習的に行われている施設が多いかもしれませんが、近年「ヘパリンブリッジは本当に意味があるのか?」というclinical questionが臨床試験で問われています。自分は今まできちんと元文献にあたれていなかったため調べた内容をまとめさせていただきます(以下では「ワーファリンのヘパリンブリッジ」に関してのみ扱います。DOACのヘパリンブリッジに関してはまた別途記載させていただき […]

SSRI/SNRI 選択的セロトニン再取り込み阻害薬

作用機序 シナプス前細胞でのserotonin再取り込み阻害することによる、シナプス間隙のserotonin濃度上昇が作用機序です。 分類 ■SSRI ■SNRI 副作用 SSRIとSNRIの副作用は基本的に同じです。三環系抗うつ薬と異なり抗コリン作用がないため使いやすい点が特徴として挙げられます。・嘔気・下痢 最も頻度が多い・睡眠障害 不眠、傾眠どちらもあり・性腺機能障害 性欲減退など・体重上昇 […]