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薬剤

神経障害性疼痛 neuropathic pain

いわゆる「しびれ」(異常感覚)に対してスパッと効果のある薬剤はなかなか無いのが現状ですが、実際にはその中でも試行錯誤しながら対症療法を進めていきます(患者さんのQOLへの影響は大きいくunmet need)。ただいずれの薬剤も副作用(特に中枢神経作用によるふらつき、めまい、眠気)があり、高齢者では転倒のリスクになってしまったりと本末転倒な結果を招きかねないため慎重に使用する必要があります。 薬物各 […]

IFNβ製剤:インターフェロンβ

製剤 一般名:IFNβ-1a(遺伝子組み換え製剤)商品名:アボネックス 30μg *ペン型とシリンジ型がある(ペン型の方がアドヒアランス良い)投与方法:週1回 1回30μg筋注注射部位:大腿前面(もしくは外側)*左右の代替に交互に注射する(前回注射部位を避けた部位にする)、注射前に注射予定部位を冷やすなどすると疼痛を軽減できる*冷蔵庫(2-8℃)で保存(凍結は避ける)、使用する場合は室温に戻して使 […]

グラチラマー酢酸塩 GA: glatiramer acetate

商品名:コパキソン 日本承認2015年製剤:コパキソン20mg投与法:皮下注射(オートインジェクター)投与方法:20mg 1日1回皮下注射(時間指定はなし)・連日投与*製剤の保存方法・冷蔵2-8度、凍結は避ける・投与前に室温に戻して使用する(20分としているが体感温度でそれより短い時間でも問題なし)・オートジェクト2という専用の注入補助器を使用する 参考サイト:https://www.ms-lou […]

フマル酸ジメチル dimethyl fumarate

一般名:dimethyl fumarate商品名:テクフィデラ 2016年12月承認、2017年2月日本での薬価収載作用機序:Nrf2転写経路を活性化する(細胞防御機構)→炎症反応を抑制して細胞障害に対して保護的に働く 適応:RRMS(再発予防・進行抑制いずれも) *PPMS, SPMSに対しての有用性は確立していない 製剤 製剤:経口内服 120mg, 240mg/1Cp使用方法・120mg 2 […]

IVIg: 経静脈的免疫グロブリン療法

自己免疫疾患で使用する機会があるIVIg(intravenous immunoglobulin):経静脈的免疫グロブリン療法に関してまとめます。 機序・投与方法 ■作用機序:免疫グロブリン製剤は献血された血漿からIgGを中心に精製された製剤です。結論から申し上げますと作用機序は分かるようでよくわかりません(研修医の先生から「なんで免疫グロブリン療法で効くんですか?」とよく質問を受けますがうまく答え […]

薬疹

分類 ・蕁麻疹、アナフィラキシー(IgEを介したⅠ型アレルギー):薬剤開始後数分(1時間以内) こちらを参照・薬疹(Ⅳ型アレルギー):薬剤開始後4-21日後(最も一般的)・重症薬疹:DIHS, SJS-TEN:薬剤開始後数日~数週後 薬疹(一般的なもの) ・時期:Ⅳ型アレルギーのため薬剤開始直後ではなく、薬剤開始後4-21日に出現することが多い。・皮疹は麻疹様の丘疹、斑状疹を呈することが多い。・通 […]

フィンゴリモド fingolimod

薬剤/機序 商品名:ジレニア、イムセラ 製剤:0.5mg/カプセル投与量:0.5mg 1Cp1x 経口薬(経口薬のDMDとしての承認初)*基本的にこの投与方法(0.5mg/日)しか日本では認可がありません。 作用機序:S1P(スフィンゴシン-1-リン酸:sphingosine-1-phosphate)受容体に作用し、リンパ球遊走を阻害する作用があるとされています。S1Pはリンパ節でのT細胞のS1P […]

薬剤性パーキンソニズム drug-induced parkinsonism

精神科の先生方と神経内科医がよく診療するのが薬剤性パーキンソニズムです。原因薬剤を中止してもすっと改善しない場合もあり、背景にパーキンソン病が合併しているのかどうか悩むことも多いですが近年はDAT scanの登場によりこの点に関して判断が少ししやすくなっています。過去の文献での臨床像は純粋な薬剤性パーキンソニズムと、パーキンソン病が背景にある薬剤性パーキンソニズムが混ざっているため解釈には少し注意 […]

薬剤性振戦 drug-induced tremors

日常遭遇することの多い(神経内科のコンサルテーションでも非常に多いです)薬剤性振戦に関してまとめます。振戦一般に関してはこちらにまとめがあるのでご参照ください。今回は Lancet Neurol 2005; 4: 866–76 の内容をまとめたものですが、古い文献が多く引用されておりダウンロードできなかった文献が多く、引用として引かれている文献名をそのまま掲載しているものも多いです。申し訳ございま […]

ラモトリギン LTG: lamotrigine

商品名:ラミクタール ■作用機序:Naチャネル阻害 ■代謝:肝臓 グルクロン酸抱合 *妊娠中やエストロゲンはクリアランス上昇あり・T1/2:25-30hr Tmax:3hr *バルプロ酸併用は半減期が2倍になる・血中濃度:3-15μg/ml TDM7日後gradeC *血中薬物濃度を出来るだけ測定したい(下図は抗てんかん薬血中濃度測定の有用性に関してのまとめ図) *2-20μg/mLという記載もあ […]